本日は息の仕方の練習です。
貴方・・・普段息をしてますよね。
ごもっともです。
でも、ここでお教えするのは、貴方の声をみがいてゆくための呼吸法ですから、普通の呼吸方法とは少し違います。
名づけて「エイトフォーの法則」!
エイトフォーといっても、夏場に大ヒットしている制汗消臭剤とは関係ありませんから・・・・
これは深呼吸をするときの法則名です。
深呼吸という時、私たちは息を吸うことに一生懸命になってしまいます。
経験ありませんか? 最近のこどもたちは、夏休みのラジオ体操というものにあまり思い出は無いかもしれませんが、30歳以上の方ならそれなりの記憶があるでしょ。
まだ目が醒めきっていないうちにとりあえず終えた体操後の深呼吸。
「おおきく吸ってエ・・・・・・・」 はい!思いっきり吸ってますよね!
「はい、吐いてエ・・・・・・」 ・・・・・・ン! なんとなく吐いているだけじゃないですか?
声みがきでは、吐く息がとても大事です。
そりゃそうです、声は吐息にのって送り出されるんですからね。
「エイトフォーの法則」では次のような深呼吸の仕方を学んでゆきます。
<トレーニングの方法>
まず、一日目で学んだ、「武蔵自然体」の形で立ちます。
両足は、肩幅より少し狭いくらいでいいです。
ゆっくりと息を鼻から吸い込んでみてください。
その時、ポイントは鼻の奥で空気を吸うつもりになることです。
鼻先ではなく、鼻奥でね。
奥のほうの壁がヒンヤリするような感じ。
できました?
その感じを覚えておいてください。
鼻の奥を意識してということは、これから何度も言いますからね。
1:それではその感じで頭の中で、ゆっくりと4つ数えながら息をお腹に溜め込むように吸い込んでください。
本当は、息はお腹の中なんかに入りませんよ。
どんなに立派なお腹でも、そこには空気は入りませんよ。空気は肺にしか入りませんが、そのすぐ下にある横隔膜を押し下げる気持ちで息を吸えば、お腹が膨らんできます。
そう、その調子です。
武蔵自然体のポーズでもお腹の辺りが充実しているはずですから、さらにその部分がズッシリとしてきますね。
ここまでがカウントとして4つ。
続いて頭の中で4つカウントしながら、お腹の息の上に新しい息を積み重ねてゆく気持ちで、胸にも空気を溜め込んでいってください。
この時注意するのは、胸があがらないように気をつけること。
もし上がっていると思ったら、それは胸に力がはいっている証拠です。
武蔵自然体のまま、肩の力を抜いたままこの動作を行ってください。
イメージは砂時計の砂が下に落ちるに従って、下の部分にピラミッドが作られてゆく感じです。
ここまででカウント8つが終了です。
つまり「エイト」が完了。
はい、ここでは一気に息を吐いてしまってください。
まだ練習ですから、しばらくゆっくりと普通の息をしながら私の話をきいてくださいね。
今8つのカウントを頭の中で数えましたが、そのスピードは、大体1カウント1秒が目安です。
そのスピード感で、砂のピラミッドがお腹に中に出来上がってゆくイメージをもってください。
いいですか。
2:もう一度、やってみてください。
うまくイメージできましたか?
では次に進みます。
3:同じ事を今度は両手をゆっくりと横に広げながら行います。
手のひらはやわらかに開いて、手の甲を上にしながら上昇させてゆきます。
カウント4で両手は肩の線と一直線になります。
カウント5から8までを頭の中で数えながら、その両手を伸ばしたまま頭上にもっていってください。
カウント8で両手の中指は頭上で軽く触れ合う形になります。
4:はい、そのままの姿勢で、息を止めたまま頭の中で4つ数えましょう!
息を止めている状態です。喉でとめているということではなく、引力と上昇力のバランスがうまく釣り合っているという感覚です。
喉の奥は開いたままにしておきます。
そして、ここでもイメージが必要です。
たまった空気が体内を隅々までめぐっていくというイメージです。
いきなりそんなこと言われたって・・・と言ってる貴方。
ここでもヒントを差し上げます。
空気の塊で体内を拭き掃除している感触です。
すみからすみまで息を巡らしていってください。
拭き掃除をすると、当然のことですけど、使っていた雑巾だって汚れますよねえ。
同じように、体を巡る息だって、かなりくすんできます。
特に腹黒い人は、お腹の辺りで息もマックロになるでしょう・・!?
普通の人だって、普段あんまり意識していないところまで掃除してゆくわけですか らかなり息の汚れが目立ってくるはずです(イメージしてください)
5:今度は一気に息を吐き出すのではなく、汚れた息を、口をすぼめて音を出しながら、少しずつ長い時間をかけて吐き出してゆきます。
経験したところでは「シューッ」という音が吐き出すときの爽快感をもたらせてくれます。頭の中に先ずはカウント4つ。その間に胸のあたりの息をすべて捨て去ります。その間に両手は、上っていったのと逆の弧線を描きながら肩の位置まで戻してください。
6:さらに吐き続けて5・6・7・8と頭の中でカウントしながらお腹にたまっていると想定している息もすべて吐ききります。最後は「もうこれでおしまい!」という気合で一気に吐ききってください。ここまでが吐くときの「エイト」です。
次が大切!
7:体の中が空っぽになっている状態を味わいます。カウント4つの間、息は吸いません。
この状態が一番苦しいかもしれません。でもここは我慢のしどころですよ!
喉を詰めているより、開放していながらも息は吸わないという方法のほうが楽。
ここまでが「エイトフォーの法則」の1セットです。
1セット終わったら、自然な呼吸を2、3回してリセットして気持ちを整えてから、また1:から繰り返してゆきます。
計算上は8+4+8+4=24で整える呼吸ということですから、ゆくりやっても1分で2セットくらいはできますね。
ここまでの動作を、息を整えるための間をとりながら、4セットから6セットくらい繰り返してみてください。
これだけで、かなり、リフレッシュできます。
体内の拭き掃除のイメージも悪くないはずです。
実行する時間帯は朝でも夜でも構いません。
手を横に広げるスペースが無いときは、そこの部分は背中の拡大・縮小というイメージだけで処理しても構いません。
このトレーニングのポイントは、吐く息も深呼吸の一部であると認識することです。
というより、「息を捨てる」という感覚に集中してみてください。
多分最初の頃は1セットの最後の方で、「何もはいっていない身体」を保つときが苦しいでしょう。カウント4つが我慢できなければ、しかたありません。こっそり息を吸ってもいいでしょう。
とめておくのは、出来る限り・・・・・・でいいですからね。そのまま倒れられても困りますから。
その代わり、慣れてきて、もっと吸わずに我慢できるとおもったら、その時間を延ばしてみてください。
それは、身体の中を空っぽにする、まっさらにするという、とても大事な時間です。
一気に書いてしまいましたが、この呼吸法を会得するだけで、いつもの自分の性格から数段上にあがった感じ。つまり、自分を客観視できるようになったはずです。
自分に自信が持てなくて悩んでいるあなた。
こんな簡単な方法で、自分の存在を確認することもできるのですよ。
勿論「声みがき術」この先まだまだ奥深いのですけどね。
このブログをお気に入りに入れておいてください。
すべての法則をここで紹介してゆきます。
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