- 酒井 正人
- サカイデザインネットワーク有限会社 取締役社長
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
住空間のなかで天井の高さを考える事は、快適性と機能性を高める視点からも、とても重要な要素の一つです。
こんにちは。 サカイデザインネットワークの酒井です。 しばらくコラムをお休みしていましたが、また再開致しますので皆様の住まいづくりに少しでもお役に立てれば幸いです。
天井が高い空間と低い空間では、どちらの空間のほうが豊かに感じるものでしょうか? または、どちらの空間のほうが長く居れるものでしょうか?
天井の高さは高いほうが高いほどよいと思われている概念がありますが、正確には、低い天井と高い天井の対比が開放感と快適性を創りだすのだと思います。 確かに天井が高いと開放感を感じるのですが、前回コラムでもご紹介した茶室空間のように、人が「落ち着く」と感じる空間は意外と狭い空間であり天井も低い(生活空間としては最低でも2.1mは必要ですが)場合があるのです。
そして、機能性という視点からは、例えばキッチンや収納家具などを壁面に計画する空間では、手が届く高さが重要であり天井が高すぎると使いにくく納まりもよくない場合があります。 また別の視点では天井を高くすることで空調設備や採光を得る開口部の計画がより重要になりますが、吹き抜け空間などの開放感はとても快適で豊かに感じるものです。
空間のなかで、どこまでも高い天井が続くのではなく、機能性を考慮した低い天井の部分と吹き抜け空間のような高い天井の部分の組み合わせが豊かさを感じる住空間を計画するうえで大切なキーワードになります。
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