なぜデジカメの解像度を「最小」にして撮るのですか? - 写真撮影レッスン - 専門家プロファイル

宮本 陽
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兵庫県
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閲覧数順 2024年04月17日更新

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なぜデジカメの解像度を「最小」にして撮るのですか?

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カルチャーカメラ教室よりフィードバック

カルチャーカメラ教室よりフィードバック:なぜデジカメの解像度を「最小」にして撮るのですか?

最近ではあまり聞かれなくなったご質問の一つに「解像度の設定はどれにしたらいいですか?」があります。デジカメの画素数競争が一段落し、デフォルトで最大解像度に設定されているため無意識にそのまま使っている...というのが実情かもしれません。ここでの解像度とは、アウトプットされる画素数の大きさのことを言います。


【最大解像度もしくは中間程度の解像度でも何ら問題はない】

従来は、熱心な方ほど最適な解像度はどれだろう?と模索し、設定を変更する操作感を楽しんでいたイメージがありますが、最近では最大(Large)にするかそのカメラの中間解像度(Middle)あたりでお使いの方が多いようです。最近のカメラは画素数が大きいので、webはもちろん2L程度のプリント出力でも全く問題ないレベルであり、ここでトラブルが発生することはまずないと思われます。


【大きな解像度ではファイルサイズが大きくなるのだが...】

当たり前のことなのですが、解像度を大きくすればデータの容量も大きくなります。これはカメラの記録メディアと撮影後の保存メディアに影響を及ぼします...。と、従来はこのようなネガティブ要因として認識していましたが、記録メディアの価格が下がってくるに従ってほとんど問題ではなくなってきました。

一例として、1400万画素クラスのカメラに2GBのカードを装着し、最大解像度(4576×3056程度)且つ最高画質で撮影をした場合でも約240枚ほどが撮影可能(条件や機器によって異なります)であると考えられます。2GBのメモリーカード(SDカードの例)は今では数百円で入手できますので、大きな容量が記録媒体を圧迫する、などというネガティブな言い方をする人はほとんどいなくなりました。倍の容量となる4GBのカードでも安いものでは千円でお釣りがきます。

もちろん、カードの種類・規格やブランドによって価格は異なりますが、その程度のコストなので複数枚を所持するのは容易だと考えて差し支えないと思うのです。


【たくさん撮りたいから最小の解像度にしていると仰る人】

ところが、こういうご意見の方もありました。「私は、枚数をたくさん撮りたいから...。だからできるだけ小さいサイズで撮っているんです...。」と。なるほど。ですが、更にご丁寧にカメラ店で最小サイズ、且つ、最低画質に設定してもらったそうです。ここまで徹底するのも凄いこだわりだと思うのですが、で、単純に計算するとあと13年間ほどは撮れるようでした...。


 【画質は「小は大を兼ねない」ことも知っておきたい】

上記のケースは極端な例でしょうが、沢山撮れるから解像度は小さくしている、と仰る方は多いのではないでしょうか。また、ケイタイ・スマホでも、ずっと過去からの写真をその中に置いておきたいから小さい解像度にしている、という声は良く聞きます。記念の写真をいつでも手元で見ることができる...。いいことだと思います。私もこの考え方には同感です。

ただ、こうした写真を「何か別の用途に使う」となると、途端に問題になります。先般も、webで掲載するために必要になったが「小さすぎてダメと言われた。どれくらいの設定にしたら良いか?」というご質問がありました。webで使う用途でさえ小さすぎる、というのは困ります。また、印刷物に使用するには更に大きな解像度でなくてはギザギザになって使用に耐えません。


そもそも、常に持ち歩き手軽に写真を撮るためのケイタイカメラなので、他の用途に使うことなど想定していない、というのが本音だと思います。ですが、ケイタイカメラとは別にコンデジや一眼レフで撮影しているのでなければ、その場の写真はそのケイタイ撮影の写真だけしか残っていない、ということをもっと意識しても良いのではないでしょうか。

ケイタイだから貴重なシャッターチャンスを逃さないよね!っ、と仰るのは素晴らしいですが、その写真は手元の画面で見る以外に使い物にならない。のはいかにも寂しいものです。特にFacebookをはじめとしたソーシャルネットワークに投稿してコミュニケーションを深めるために、ケイタイ撮影の写真は重要な役目を果たすようになっています。

一覧で表示されるサムネイルを読み、そこからクリックして更に大きな写真でも楽しむ、というプロセス。これが小さ過ぎる写真では味わえないことが、そろそろネガティブ要因になってくるのかもしれません。

このソーシャルへの投稿というアクションは、ケイタイ写真をケイタイ画面で見る以外に「他の用途で使う」ことに他なりません。他の用途に使えないほどの小さい解像度にしなくても、あなたのメモリーカードにはもっと記録できる容量があるのではありませんか? 


【サンプル写真】
低い解像度の写真をその解像度以上に大きく伸ばすとギザギザになり満足な写真として見ることができません。2枚の写真をクリックして原寸大に拡大、比較してみてください。小さすぎる解像度は「他の用途に使うこと」が大きく制限されてしまいます。


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