卵胞は、始めは原始卵胞という状態ですが、
排卵に至るまでに、
原始卵胞→1次卵胞→2次卵胞→→前胞状卵胞→→胞状卵胞→→排卵前の成熟した卵胞
という過程を200日ほどかけ排卵します。
原始卵胞は眠っている状態です。
排卵の周期に、その中の一部が眠りから起こされ(選択され)発育していきます。
ここまではホルモンに依存しません。ホルモンの影響は受けないのです。
前胞状卵胞まで発育すると、ホルモンの影響を受け発育します。
(ちなみにこの前胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌される、抗ミュラー管ホルモンを測ることにより卵胞の数を推測します。)
そして月経期の時点で、十数個の胞状卵胞が排卵する候補として残っています。
その候補の胞状卵胞達が、FSHの影響で最終的に1つに選ばれ、
成熟卵胞となり排卵します。
選ばれなかった他の卵胞は閉鎖します。
原始卵胞から排卵まではこのような流れになります。
「卵胞が成長し、卵子を排卵すると体温が上昇します。
やがて体温が下降すれば月経になります。
多くの女性は、この月経周期が28~30日、体温の上昇期間(高温期)が14~15日あるように自然に調整されています。
通常、この月経周期が乱れることはありませんが、一度乱れるとなかなか元に戻らず、正常な卵子が育たなくなってしまいます。
なぜなら、月経周期は独立したものではなく、ある周期の卵子はその前の周期、さらにはその前の周期の影響を受けて発育するからです。
逆に言えば、ある周期の月経が乱れると、その次の周期、そして次の次の周期と連鎖的に影響して、卵子の発育を悪くしてしまうのです。
このように月経周期が乱れると、卵子の成長・排卵・黄体化は正常に進まなくなります。
つまり、月経周期は毎周期ごとに区切りがあるのではなく、卵胞の成長→排卵→黄体化→卵胞の成長→排卵→黄体化→卵胞の成長・・・と、常に連続した周期であり、周期の中のあるステップの異常は、そのあとのいくつものステップに影響して、卵子を良い状態で排卵できなくしてしまうのです。
女性の月経周期は歯車が正確にかみ合うようなメカニズムで、非常に複雑かつデリケートな調整を受けているのです。」
『不妊治療はつらくない』主婦の友 より抜粋
採卵周期の鍼灸治療はもちろん重要ですが、
何度も採卵をされており、卵が採れない方の場合、
その前の原始卵胞が起き始める期間から、
よい周期を迎えしっかりと身体を整えておくことが、
質の良い卵を採るために重要だと考えます。
なかなか卵が採れなかった方が週1回のペースで来ていただくと、
半年~1年(中にはもっとかかった例もあります)ほどで良い卵が採れたケースが多かったなと感じているからです。
それと平行して、生活習慣も関わってきます。
極端な例ですが、喫煙をしている場合、hmg注射の本数を非喫煙者より多く使用しているにも関わらず、少ない採卵数というデータもあります。
喫煙ほどではないとしても、まだ生活面においてもできることはあるかもしれません。
生活習慣も一緒に考えたいと思います。
また、東洋医学の面からも、まだまだ考えうることは多いと思います。
生活面や東洋医学的な観点から見直して、着床に結びつく卵子を育てましょう。
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