「相続時精算課税制度」
という税制度があります。
親からの住宅取得の為の贈与であれば、
3,500万まで無税になるというものです。
しかし、
「え!?3,500万までだったら税金かからないんだ!」
と喜んでしまうのは少し早いのです。
この制度はあくまでも、
「贈与時に税金がかからない」
だけで、
「今回贈与を受ける金額を相続時にまとめて精算しますよ」
ということなんです。
要するに課税されるのが後回しになるだけで、
無税になるわけではありません。
「なんだ、結局は税金がかかるんだったら、
わざわざそんな制度使わないよ!」
と思われるかもしれません。
しかしちゃんとメリットはあるのです。
相続税には5,000万と、
相続人1人につき1,000万という基礎控除があります(平成23年11月現在)。
ご両親と今回贈与を受ける本人、
そして弟、妹がいた場合を考えます。
亡くなられたのがお父さんだとすると、
相続人は・・・
1.お母さん 2.自分 3.弟 4.妹
と相続人が4人となり、
5,000万の基礎控除に4×1,000万で4,000万。
合計で9,000万までが無税となります。
不動産を何件も所有している地主さんや、
金融資産をたくさんお持ちの資産家の方、
もしくは物件の評価が高い高級住宅街に住んでいる人でなければ、
相続時に課税されるのは、
全体の数パーセントです。
そう今までは・・・。
現在国会にこの基礎控除を見直すという法案が提出されています。
いつ可決になるかは分かりませんが、
可決されると基礎控除は3,000万に、
相続人1人につき600万に引き下げられます。
それにより課税対象になる家族が確実に増えます。
例え贈与を受ける際に法案が可決されていなかったとしても、
相続時に法律が変更されていれば、
基礎控除は変更された価格となりますので注意が必要です。
不動産を購入する時に、
ご両親が資金面で援助してくれる家庭は多いと思います。
親子関係でお金の話は中々しがたいものと思います。
しかし、もし今後両親からの援助が期待出来るようなら、
どのように援助を受けるのが一番ベストなのか、
事前に相談しておくことをお勧めしますよ。
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