- 田中 伸裕
- 田中伸裕建築事務所 代表
- 岐阜県
- 建築家
対象:新築工事・施工
気密が保たれ通気もなく水分が抜けずに、暗くてジメジメしていればまさにシロアリにとって天国ともいえる状態です。
寒くなれば活動が弱まるのですが、断熱され暖かい家ならば1年中大活躍。
湿気が多いと体内に水分を蓄え、2階や屋根面まで浸食していきます。
以前は、2階や屋根までの浸食は、割合温暖で海や川などに近い地域で顕著に見られましたが、
最近では、なんちゃって高気密・高断熱の家が増えてきたことによりどの地域でも見られるようになりました。
これでは、シロアリの為に家を建てて住みかを提供してあげたようなものです。
以前、古い住宅のシロアリ退治に立ち合いましたが、全国的に名の知られたシロアリ退治会社でも
異変を察した働きアリが女王を真っ先に移動させてしまい、毎回女王アリを捕まえるのは困難だそうです。
逃げた庭先でまたコロニーを作るので継続した駆除が必要になってくるようです。
女王は非常にグロテスクでシロアリの面影がない形をしています。
「シロアリはセルロースを食料にしているから、セルロースを含む木材等を食べ、それ以外のものはあまり食べない」
と記載されている書籍もいまだありますが、なんだって食べ進んでいきます。
何かにぶつかれば、えり好みせずとりあえず齧って進むという習性があります。
ジャンカ(コンクリートの打設不良の1種)ができたコンクリートの塊5cmを
1週間で貫通したという試験結果すらあります。
シロアリは「昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科」つまりアリではなくゴキブリと同じ仲間なのです。
ゴキブリと同じということを考えると何となく悪食が納得できそうな気がしませんか?
シロアリ退治用に様々な商品が発売され実績も出ていますが、それらを使用する以前に
乾燥した木材を使用し家を建て、通気を考え、発生する水・水蒸気の透湿性を考えるという
あたりまえの家づくりをする必要があります。
基本部分が大切です。
それが家のためであり、住む人にのためにもなる家づくりです。
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