- 田中 伸裕
- 田中伸裕建築事務所 代表
- 岐阜県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
今では日本の住宅すべてをまかなえるだけの木材が国内に存在してます。
ここまで育った木材ですが、植栽は2m間隔でしていくそうです。
その後、同じ山であるにも関わらず、20年後には、幹の太さが倍近く変わってきます。
理由は様々ですが、強い根の木が土の滋養分を吸い上げて、弱めの木はそれに負けてしまうのだとか。
植栽して50年後には、半分の木を間伐し木同士の間隔は4mとなり、樹齢60年、100年、となっていくわけです。
最初から4m間隔で植林しないのは枝がたくさんできて、まっすぐな木にならないのだとか。
しかも、強く育とう、という力がなくなり、結果的に強い木材にならないのだそうです。
自然の力を上手く利用して植林されているものです。
そのようにして植林されて、育てられて育っても日本で国産材が使われているのは、
木造全体で見てたった2割(柱は6割あっても、多く使う横架材は1割未満)。
あとは外来材です。
放置された木は、山をどんどん蝕んでいっていて、山そのものが腐り始めているのだとか。
知り合いの林業家の方も、「山を育てるために、使える木を伐り出しても売れない。かといって伐り出さなければ山が荒れてしまう」と言っています。
湿度の高い日本では、国産原木の水分含有量が一般の外材より高く、乾燥に時間とコストがかかるという問題を抱えています
しかし、構造材を国産材としても坪あたりに直すとそれほどコストアップはしないことに気づくと思います。
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