- 海田 修平
- カイダ建築設計事務所 一級建築士事務所
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
住宅の打ち合わせをすると、当然子供部屋の話にもなります。
要望を伺うと「子供が二人だから、もしくは、二人欲しいから、二部屋必要で最低6畳は欲しい」となります。
しかし、子供は「神からの授かりもの」ですので、希望通りにならないことも多いと思います。
実際、私も当初は子供は二人で十分と考えていましたが、徐々に気が変わって、
今では三人いないと物足りないと感じます。
逆に、二人欲しいと思っていても、なかなか二人目ができないとか、
さまざまな理由で子供さんを授からないご夫婦もいらっしゃいます。
それなのに、「子供は二人で6畳」という紋切り型の要望は無駄を生む可能性があります。
さらに、子供は地元の高校を卒業して大学に進学する時点で家を出るケースも多いと思います。
子供が一人で部屋で寝起きするようになるのが小学校にはいる前後からだすると、
子供部屋が子供部屋として使われるのは15年程度になります。
15年しか子供部屋として機能しないような部屋を子供専用につくるのは長期的には無駄であるように思えます。
極端なことを言うと、子供部屋は必要ないと思います。
将来的な使い方を考えて部屋をつくり、最初の15年だけ子供に貸すという考え方にするのです。
子供に貸す部屋と考えると、部屋の仕切り方が自ずと変わってきます。
子供が減っても増えても対応できるように、また、将来的には一部屋として使えるように、
仕切りはゆるく簡易的にすると将来的に融通が聞きます。
大きさについても子供部屋が広い必要はありません。居心地が良すぎて子供が部屋にこもってしまいます。
子供部屋は居心地が少し悪いくらいで十分だと思います。
ベッドとデスクと収納が置ければよいので、4畳程度で十分です。
一人4畳の部屋だと三人兄弟の場合は全体で12畳、二人兄弟の場合は8畳となります。
その程度の部屋であれば、将来的にはゲストルームとすることもできますし、
祖父母の部屋とすることもできます。夫婦それぞれの部屋とすることもできます。
子供部屋を子供に貸す部屋と考えれば、将来的な楽しみもできますし、
何より長く使い続けられる無駄のない住宅になると思います。
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