- 前田 勇介
- スモールメディア 代表
- 東京都
- ITコンサルタント
対象:Webマーケティング
- 森 美明
- (Webデザイナー)
- 和久井 海十
- (ITコンサルタント)
店舗集客とSNS-4グルーポン系を賢く使う3つのポイント(前編)
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前回の予告通り、今回はいわゆるグルーポン系のサービスを集客のために賢く利用する方法を取り上げます。
共同購入サイトやフラッシュマーケティングなどとも呼ばれていますが、店舗集客に大きな力を発揮する反面、負の部分でも注目されることも多い、ちょっと取り扱いの難しいサービスです。
フラッシュマーケティングとは?
フラッシュマーケティングとは、期間限定で一定数以上の注文が入った段階で成立するサービスの割引(商品)チケットをネット上で販売するサービスです。
ポイントは3つです。
「販売期間が短い」
「割引率が高い」
「注文数が決められた数を超えないと成立しない」
特に「販売期間の短さ」「注文数の下限」が既存のクーポンとは大いに異なる点です。
尚、グルーポン系と呼ばれるのは、このサービスのパイオニア的存在の米グルーポンが象徴的な事業者のためです。
ソーシャルメディアの普及
短期間でまとまった注文が得られるようになった背景はソーシャルメディア(Twitter、mixi、Facebookなど)の普及にあります。
それまで、ネットでサービスなり商品を周知するには、バナー広告を出したり、検索サイトで上位に表示させたり(SEO)、検索連動型広告(PPC)に頼ってきたわけでですが、SEOは結果が反映されるまでの期間が長ったり、そもそも、上位に表示されるかが不確定なので、短期間での販売には向きません。
PPCは短期間で出稿できるものの、まずユーザーが「そのサービスに興味を持って、探す」という行動をとってもらえなければ、見てもらえません。興味を持って能動的になっている分、確度は高いのですが、短期間で目にする見込み客は限られます。
それに対して、Twitter上で拡がるつぶやきなどは、上手くはまれば短期間で広範囲に拡散する可能性があります。
しかもそのつぶやきはある程度、見知ったユーザーからの情報なので、クチコミとしての密度は高いものになり、さらに拡散し、集客に結びつくことが期待できます。
今まで興味を持っていなかったユーザーにアピールすることができ、また、注文数の下限を設定することにより、チケットを購入したユーザーはそのチケットを成立させるべく、知人に宣伝をしてくれる・・・というのがこのサービスの特長です。
フラッシュマーケティング業界の現状
話は変わりますが、私はこのサービスに特段、興味はありませんでした。
なぜフラッシュマーケティングを取り上げようと思ったかというと、たまたま気がついた、「あること」があり、それをお伝えすることは店舗運営者にとって有益かも知れないと思ったからです。
実は弊社サービスを営業していく中で、グルーポン系の事業者を対象にセールスを掛けていこうと思ったのが事の始まりです。
事業者をリストアップ→連絡している最中のことです。
何件かのグルーポン系サービスサイトをチェックしていると、「本日のチケット」が掲載されていなかったり、サイト自体が閉鎖されていたり、数ヶ月以上もの間、新しいチケットが掲載されていないサイトに出くわしたのです。
営業の傍ら、稼働状況を簡単に記録していのですが、その状況があまりにも寒々しく感じられたので、集計してしてみたところ、実に1/3の事業者が閉鎖もしくは開店休業状態でした。
去年の後半あたりから盛り上がり、新規参入が相次いでいたHOTなはずの業界が一年足らずで、まさかこれほど冷え切っていようとは・・・。日本の地域経済の地盤沈下を目の当たりにしたような気がして、冗談でなく、本当に背筋に寒気が走りました。
全体を俯瞰してみると、ただ寒いだけでなく、それなりに賑わっている感じがするところもあれば、盛り上がっているというほどでは無いけどそれなりに回っている感じがするところもなどももちろんあります。
お寒い方のサイトを見ていて、ある共通点に気が付きました。
サイトのフォーマットがどこもほぼ同じであることです。
管理画面がどうなっているかはわかりませんが、一般ユーザーが見る表側の見る限りでは、たぶん4~5社程度のWEBシステム開発会社が、それぞれにグルーポンをお手本にして作ったと思われます。
大半の後発グルーポン系事業者はそれらのシステムのどれかを導入しているようです。
この手のシステムは仕組みとしてはそう複雑なものではないので、割と低価格で切り売りされているのでしょう。
ですから、少ない投資で流行りの業界に「いっちょがみ」してやろう・・・と、参入された事業者が多かったのではないかと推測できます。
ところで、フラッシュマーケティングを成功させる肝はなんだと思いますか?
ズバリ”集客力”です。
フラッシュマーケティング事業者自体がある程度の数の一般会員さんを集めないことには、クチコミなど起きるはずもなく、ましてや広告主を募ることもできないでしょう。
そして広告主がいなければ、当然チケットは掲載できませんので、さらに会員は集まらず負の循環で開店休業や閉鎖の憂き目に逢います。
回っていない事業者は、集客力が無いにもかかわらず、「流行っている」「お手軽そう」という理由から参入した、言わば「劣化版グルーポン」のところが多いように思います。
これが「猛暑なのに寒いその他グルーポン系の実情その1」です。
そもそも業界全体の問題になりますが、クーポンそのものにお店が辟易している、というのが今ひとつ盛り上がらない原因として挙げられます。
いくら手を変え品を変えしても、基本は今までのクーポンと一緒だろう・・・というネガティブな捉え方をされては、広告主の開拓はなかなか進まないことでしょう。
これが「猛暑なのに寒いその他グルーポン系の実情その2」です。
その3は、環境要因で、皆様ご存知の「おせち問題」です。あの事件は社会問題化し、グルーポン系全体に対する不信感を植えつけてしまいました。
そこに加えて3.11の震災で一気にお店の広告出稿意欲が下がってしまったのが、多くの負け組事業者の行先を決めてしまった原因でしょう。
フラッシュマーケティングを取り巻く状況については以上です。
後ろ向きな話が多かったのですが、もちろん、きちんと結果を出している事業者もあります。
そして、上手く有効活用できれば、集客の助けになるサービスであることは間違いありません。
なので、次回はこの状況を踏まえて、お店で有効にフラッシュマーケティングを利用するポイントをご説明します。
お楽しみに♪
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