- 高津 嘉邦
- 代表取締役
- 兵庫県
- 保険アドバイザー
対象:損害保険・その他の保険
東日本大震災から約2ヶ月以上が経過しようとしています。
まだ、私の中でこの東日本大震災に対して何ができるのか、という明確な答えが出ないまま日々自問自答を繰り返しております。
今回の震災で感じたことは「自分は大丈夫」なんてことは一つもないということです。日本は地震の多い国だということは皆さんご存じでしょう。しかし、その日本に住んでいる自分たちが地震に遭い、家を失い、職を失うと、どこまで考えていたでしょうか。誰もが心のどこかで「自分は大丈夫」だと思っていたことでしょう。もちろん「保険」を取り扱う私でさえおろそかになっていました。
「いつ起きてもおかしくない」ということは「明日起きてもおかしくない」ということです。不測の事態が起こるその前にできることはたくさんあることでしょう。
その一つに「知る」ことが必要だと思います。
一つ例を挙げてみると、大阪で活断層帯の地震(M7.5程度)が今後30年間で起こる確率は政府の発表によると2~3%といわれています。これだけでは少々分かりづらいと思いますので、内閣府の防災情報のホームページに掲載された交通事故や火災の発生確率と比べてみましょう。
それによれば、30年以内に交通事故で死亡する確率は0.2%、火災で被災する確率は1.9%だそうです。これらの数値を比べてみただけでも、どれだけ地震の発生確率が高いかがお分かりいただけるのではないでしょうか。
また、阪神淡路大震災では「二重ローン」という言葉が使われるようになりました。
「二重ローン」とは、壊れてしまった家屋の住宅ローンの返済と新しく家屋を建てるために借りた住宅ローンの返済、この2つの債務が重なることを「二重ローン」といいます。
地震や津波、または火災などで家屋を失っても住宅ローンは消えることはないのです。そう考えればほとんどの方が「ゼロ」からのスタートではなく、「マイナス」からのスタートを余儀なくされるのです。阪神淡路大震災から15年以上が経過した今でも、この「二重ローン」と戦い続ける人は数多くいることでしょう。
ただ、こうした「不測の事態」を知ったとしても100%回避することは不可能です。しかしこれらを「知る」ことで今から備えることができるのではないでしょうか。
自動車事故や火災事故に遭わないようにすることはもちろん大事です。しかし、もし遭ってしまった時のことを考え「自動車保険」や「火災保険」といったものに加入される方は多くいらっしゃいます。しかし、地震に関する保険についてはまだまだ少ないのが現状です。
保険を販売させていただく以上、「頼りになれる存在」でありつづけなければならないと考えております。そして、一人ひとりのお客さまに、少しでも「知って」いただくためのきっかけになれればと強く思った次第です。
「美楽」(2011年6月号)執筆分
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