前々回のコラムでもご紹介したとおり、私達日本人の精神文化とも言える、靴を脱ぎ家に上がる事や床に座ったり、寝転んだりすることで、心が落ち着き、リラックスできるライフスタイルは、ここ数年、実はヨーロッパなどでも注目されています。
その証拠にベッドやソファなど限りなく床に座る、寝るというライフスタイルを意識したロータイプ(高さが低い)のデザインがトレンドになったり、靴を脱いで寛げるBARなども出現しています。
2年前にコペンハーゲンを訪れた時に、長期滞在だったため和食が食べたくなり、市内唯一のタタミの小上がりがあるしゃぶしゃぶ屋さんがあると情報を得て行ってみたところ、店内は大柄なデンマーク人でギッシリ、みなさん靴を脱ぎタタミの上で寛ぎながらしゃぶしゃぶを食べている光景を目にして、やっぱり世界共通なんだ・・と思いました。 デンマーク人も靴を脱ぎ、タタミの上に座れば、ほとんど日本人が寛いでいる雰囲気となんら変わらないことを発見しました。
写真は、九州の家具産地、大川の展覧会で発表しました、タタミで寛ぐことをイメージしてデザインしたロータイプの「ソファ」や「テーブル」、「ローボード」のコレクションです。
このコラムの執筆専門家
- 酒井 正人
- (東京都 / 建築家)
- サカイデザインネットワーク有限会社 取締役社長
住む人の手が触れる場所から、建物へ、街へと心地良さを拡げたい
設計手法・デザインの発想は「内側から外側へ」・・・建物という器だけをつくるのではなく、私達が暮らす場である生活空間の細部から生活環境全体のデザインを追求し「心地よさ」をご提案しています。
03-6379-4831
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