日本の家は、伝統的には木造でほとんど壁らしい壁がなく、垂直方向の柱と水平方向の梁により構成された軸組み構造です。 柱と柱の間は、可動する紙や木でできた障子や建具が入り「住空間」ができていました。
障子や建具を開け放せば、仕切られた部屋は一つの部屋に変化し、室内空間と外はつながり、風が通り抜けるため、湿度の高い気候に対し合理的な構造であったのかもしれません。
現在の家は様々な構造が確立され、自由なデザインが可能になりましたが、この建具を開け放し、内側と外側が開放されつながるスタイルは、伝統的であり、今でも斬新なデザインとしても設計される事が多く、私たち日本人のライフスタイルに合う素晴らしい住文化ともいえると思います。
写真は、建具を開放すると室内と庭園がつながるよう設計した「八ヶ岳の週末住宅」の広間の茶室です。(つづく)
●八ヶ岳の週末住宅[http://profile.ne.jp/pf/masakai/column/detail/1952]
このコラムの執筆専門家
- 酒井 正人
- (東京都 / 建築家)
- サカイデザインネットワーク有限会社 取締役社長
住む人の手が触れる場所から、建物へ、街へと心地良さを拡げたい
設計手法・デザインの発想は「内側から外側へ」・・・建物という器だけをつくるのではなく、私達が暮らす場である生活空間の細部から生活環境全体のデザインを追求し「心地よさ」をご提案しています。
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