多くの経営者が間違える業務系クラウドサービスの導入目的 - システム開発・導入全般 - 専門家プロファイル

清水 圭一
日本クラウドコンピューティング株式会社 
東京都
IT経営コンサルタント

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閲覧数順 2024年04月18日更新

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多くの経営者が間違える業務系クラウドサービスの導入目的

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中小企業経営にクラウドコンピューティングを活用

皆さん、こんにちは。
日本クラウドコンピューティング株式会社の新井です。

本日は、多くの経営者が間違える業務系クラウドサービスの導入目的について、お話をさせて頂きます。


業務系クラウドサービスというと、一番、分かりやすいのは、セールスフォースに代表されれるような、顧客管理のクラウドサービスではないかと思います。

簡単に言うと、普通の会社がどのように新規顧客を集めて、それをどのように担当者がフォローを行い、どんな商品を提案し、その提案に対してどのような社内のサポート、リソースを投入し、顧客のどの部署の、どの役職の人に会い、提案し、いくらで売ることが出来て、その後のサポートはどのような状況かということを、ナビゲートして、記録していくクラウドサービスになります。

これは、クラウド以外にも、パッケージソフトウェアでも、やっていることは全く同じで、それが、ソフトウェアとして提供されているか、クラウドサービスとして提供されているかということの違いだけです。

このような業務系クラウドサービスを導入しようとする時に、よくお客様がおっしゃるのは、
「自社には合わない」
「今までのやり方は違う」
「商習慣に合わない」
などということを仰ります。

提案しているシステムインテグレーターやソフトウェア開発会社は、
「それでは、御社に合うようにカスタマイズしましょう」

という話になってしまうのです。

一見、無難なやり取りに思えますが、本来であれば、これは、業務系クラウドサービスを導入を失敗に導く大きな一歩である場合がほとんどなのです。

では、何が間違っているかというと、業務系クラウドサービスのほとんどが、単純に情報処理機能を提供している訳ではないのです。

このような業務系クラウドサービスは、情報処理機能だけでなく、顧客管理なら顧客管理の分野に精通した学者や研究者が科学的に効率的に顧客管理をする為のベストプラクティスをそのクラウドサービスに盛り込み、導入した企業に対して、そのベストプラクティスに従って業務を行い、定着化させることを目的としているのです。

ですので、そもそも、それをカスタマイズして、自社に合わせて使おうという発想自体が間違っているのです。

今までのやり方を捨てて、新しい仕事のやり方、業務改革の方法を持ち込み、定着化させることが本来の目的なのです。

しかしながら、多くのお客様はこのような発想にはなっていません。

なぜなら、このような業務系クラウドサービスに関わっているのが、システム部門とそれを実際に使うユーザー部門、そして、システムインテグレーターやソフトウェア開発会社だからなのです。

つまり、本気で業務改革をするには、経営者やそういったことを経営的に考えることが出来る経営コンサルタント、社内の業務改革推進の部署などの第三者が検討しなくてはならないのですが、多くの場合、そうではありません。

また、業務系クラウドサービスを販売する側にも問題があります。

それは、売り手も業務改革の専門家ではないので、本来の業務系クラウドサービスの意義や必要性、効果をお客様に訴求することが出来ないのです。

ITのことだけを知っていても駄目で、経営、業務のことについても精通していなければ、その業務系クラウドサービスの導入効果を最大限にする提案が出来ないのです。

そして、一番の問題は、クラウドサービスをカスタマイズして導入することは、システムインテグレーターや開発会社にとっては、大きな開発費を稼ぐことが出来るチャンスでもありますので、カスタマイズはどんどんやりたいというのが本音なのです。

私共の会社にも、業務系クラウドサービスを導入したが、効果がない、活用出来ていないという相談が多く寄せられますが、上記のような理由から、私共は、経営者と良く話し合い、今までの仕事やり方や業務をすべて壊して一から作り直すぐらいの覚悟を持っている会社のほうが、大きな導入効果を上げる事が出来ています。

もちろん、そのクラウドサービスを使いやすくするための最低限のカスタマイズは行いますが、私共はコンサルティング会社ですので、システムをお客様の言う通りに作るのではなく、そのシステムを導入することによって、その会社の業績を上げることにフォーカスしています。

業務系クラウドサービスの導入を検討している経営者の方々は、上記のような業務系クラウドサービス導入のポイントを踏み外さないようにして頂ければと思います。


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