- 伴場 吉之
- 株式会社コルピソス 所長(代表取締役)
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
百人町の集合住宅 設計主旨
本計画は、無秩序に開発された大久保駅2分の路地裏のアパートの建て替えである。
アパートは高度成長期に建てられ、築40年以上経っている。
当然、旧耐震設計で、低気密、低断熱である。そこに、無理繰り、1畳用ユニットバスを改修で入れた。
時代と共に、仕様、構造的にも限界に近づき、空部屋も出て、建て替えとなった。
しかし、前面道路は幅員2.38mで両側に電柱が立ち、小滝橋通りからクランクして入る。
大型車は入れず、コンクリートのポンプ車は都道小滝橋通りから配管だ。
その上、クレーンはなく、鉄筋は手運び搬入だ。杭打ち機も入れない。
幸い、ローム層に地耐力検査をし、直接基礎が出来た。
敷地は間口が3間(5.43m)で約20坪(67m2)である。間口が狭く奥行きが深い。
その中、工夫し、1フロア、2戸取った。
法改正で天空率が使え、近隣のビルより、道路斜線が緩和出来たのは幸いだった。
これからの都会の共同住宅は、耐震性・高気密・高断熱・防犯対策は当然だ。
ただ、経済性も配慮。
内断熱にしたが、断熱不要部はコンクリート打ち放し、不要部は壁も天井も仕上げしない。
その上で、収納に配慮した。帖数優先は収納に影響した。
天井までの収納に天袋の新設。実質の空間の豊かさに配慮した。
そして、見失った人間性・社会性の回復。
先ず、季節を感じさせる。
たった、33cmの前面道路との間の庭に落葉の高木を入れ、新緑・花・紅葉・落葉で四季を感じさせる。
冬場、花や紅葉する灌木を入れバランスを考えた。
建物への愛着、シンボルを考え、エントランスに彫刻家による木彫「禁断の林檎」を設置した。
効率化、個室化のアンチテーゼへの「禁断の扉」へのヒントになればと思う。
建設地:東京都新宿区百人町
敷地:67.11m2(20.30坪)
建物:WRC造3階+B1F建196.92m2(59.56坪)、工期六ヶ月
施 主:T株式会社
設計監理:株式会社コルピソス一級建築士事務所
建設会社:安芸建設株式会社
画像1はトイレから、キッチン、部屋を見ています。
画像2はアプローチ
<関連ライブリー>
無機的な空間(RC打放し)に有機的なオブジェ(手彫りの木彫)
<関連ブログ>
狭小敷地、大久保駅徒歩1分、2項道路沿い
http://plaza.rakuten.co.jp/colpisos/diary/200911110000/
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