- 佐治 邦彦
- 株式会社サンアスト 集客コンサルタント
- 愛知県
- 広告プランナー
対象:Webマーケティング
- 森 美明
- (Webデザイナー)
- 和久井 海十
- (ITコンサルタント)
webを集客販促に活かすコツを紹介していきます。まずは今号、次号の2回に渡ってWebの世界の今を見ておきたいと思います。
今、最も注目を集めているキーワードとして「フラッシュマーケティング」があります。
フラッシュマーケティングとは、「1時間以内しか販売しない」「◯人が◯時間内に集まればいくらで販売する」「今日だけ割引き」といった時間を限定したEC(電子商取引)サービスなどの総称です。
海外発の「グルーポン」、日本では「KAUPON」や「ピク」、最近CM攻勢のリクルート「ポンパレ」などがありますが、飲食店の利用が多いようで、たとえばKAUPONでは、とある飲食店のコースが半額、ピクではドミノピザが75%オフ、ポンパレではハーゲンダッツのギフト券が85%オフ、などなど非常にお得感があります。
しかし、このサービス、日本に登場してまだ1年足らずというのに、すでに多くのサイトが乱立し、激しい競争の中で早くも淘汰されサービス停止してしまうサイトがあるほどです。どの世界でもそうですが、特にWebの世界では一番始めにスタートしたものが圧倒的に強いという常識がある通り、先駆者のグルーポンが先行し、その後をリクルートのポンパレ等日本のサイトが急いで追いかけるという構図になっています。
現在、消費者が飲食店を選ぶ際に大きな影響力を持っているのが、「食べログ」や「ぐるなび」などです。
外食で食べるものに困った際、スマートフォンを取り出し、食べログのアプリを起動して現在地から検索し、クチコミや点数の高い順番に表示させてその中から食べたいものがあるお店を探す、こうした行動が最近は当たり前になっています。
こうして見つけたお店であれば、たとえクーポンがないお店だとしても、そのお店への期待から行ってみようという気持ちに自然となります。これまでであれば、ぐるなび等でクーポンがあるところの中からどれにしようかという動きだったのが、よいお店であればクーポンなどなくても入る、という消費行動に変わるわけです。これは、逆に言うと「食べログ等で評価の低いお店には入らない」ということです。そういうお店は、いくらクーポンがあって安くても、余程でない限り見向きもされなくなります。
フラッシュマーケティングは、こうしたクーポンからクチコミに流れた動きに、新たな行動パターンを追加しました。
強い限定性のあるクーポンによって、固まりつつあった消費者の行動に選択肢を増やすことにつながったのです。「今だけ割引きしているから行ってみるか」「時間限定だから、ついつい行ってしまう」といった動きを生みます。まだまだフラッシュマーケティングの数は少ないので限定的ではありますが、長期的にはこのような選択肢がさらに増えてくると予想されます。
このように、Webの世界に流れる時間のスピードは、本当にめまいがするほどです。しかし、今年の始めにスタートしたサービスがその年末にはあり得ないほど大きな事業となっているフラッシュマーケティングを例にとると、何も不思議なことではありません。それだけに、いかに海外から情報を仕入れて先行逃げ切りを図るか、これが本当に重要なことです。常に最新のWeb動向を把握して、効率的にWebを利用し集客につなげていくことが大切でしょう。
では、実際にこのフラッシュマーケティングをどう活用したらいいのか考えてみます。
やはり、フラッシュというだけあって一瞬のインパクトは重要です。数量を限定して、思い切った値引率を提示するのが効果的でしょう。クーポンを買えなかったユーザーがいても、例えば「90%オフ!!」などの見出しと共にサイトトップにお店の情報が踊ればPR効果大!一瞬でクーポンが完売となれば、買えなかった悔しさからもユーザーの印象に残ります。まずは知っていただくこと。初回の利用なくしてリピートはありません。クーポンでの利用は低価格でのサービス提供なので、より大きな価値を感じていただけ、反応はよいものになるのが通常です。良い口コミが広がり、集客に繋がります。
また、こうした最新のメディアに登場すること自体がステータスに繋がることも考えられます。現時点ではグルメ・エステ・ホテル・レッスンなどのクーポンが主流ですが、通販業等、その他の業種での利用もアイデア次第で拡大していくことでしょう。
閑散期、大胆にフラッシュマーケティングを利用して集客につなげていく。お試しセットなどを破格の値段によって認知していただくことに利用する。こうして考えると、フラッシュマーケティングはリスクを抑えて大きなメリットに繋がる販促手段であると考えられます。皆さんも、インパクトのある、脳裏にフラッシュのように焼き付ける販促効果を狙ってみてはいかがでしょうか。
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