- 廣部 剛司
- 代表取締役
- 建築家
対象:住宅設計・構造
「住宅ができるまで」6-提案書
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前回お伝えした「スケッチ集」をみていただき
この「基本設計提案書」の説明をします。
住宅以外の仕事の場合は、本契約を結んでから
デザイン提案になる場合が多いです。
しかし住宅は、ほとんどの方が建築を依頼すること自体が
初めての体験であり、ある程度具体的なイメージがないと
「進めて」よいかどうか判断しにくいと感じます。
そこで、この提案の段階でかなり具体的な設計提案を
させて頂くことが多いのです。
そして、基本的な方向をこの時点で共有して
「新しい空間」への想いを双方共に持てるようにしたいと考えています。
提案書はかなりの割合で手描きの図面をお出ししています。
場合によってはCADのほうが有利に作図できるパターンもあるのですが
手描きの図面には別の「情報」を込めることができると思っているからです。
もちろん手間はかかりますが
私が直接描いていくことでその設計案に対する気持ちも
伝わるところがあるかも知れません。
そして、大切なのがこれらのパースです。
建築の大学ではかなり早い段階から
「平面図」「断面図」から空間を<読む>訓練をします。
それゆえに、図面からある程度のスケールや空間構成を読み取ることができますが
ほとんどのクライアントにとって、図面だけで住宅がどんな空間になるのかを感じることは難しいことです。
そのため、こういったパースをできるだけ描きます。
内部に入って実際どんな感じなのか?
素材の雰囲気は?
そして、どんな生活がイメージできるか?
それをできるだけ詳細にパースに込めて伝えたいと思っています。
ここまでのプロセスには、かなりの時間が必要ですし
1案できるまでは毎回かなり悩みます。
それでも、提案書を喜んでみてくださる姿を見ていると
嬉しい気持ちになります。
そして、本契約を結び、基本設計へと進みます。
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