着付けは「苦しくない」が何よりも大事 - 着付け・着物教室 - 専門家プロファイル

結月 美妃
有限会社 結美堂 代表取締役
東京都
着付け講師

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閲覧数順 2024年12月04日更新

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着付けは「苦しくない」が何よりも大事

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 結美堂の結月美妃です。

 着物の初心者に着付けを教えていますと、着物は苦しくても我慢しなければならない、と考える人がとても多いんです。これは困ったことですね。

 どうも着物というと日本の封建的イメージもあるし、また成人式や結婚式で着付けてもらって多くの人が苦しい思いをしているから着物はそういうものだと思い込んでいるんですね。

 でもそれは大間違いなんです。

 着付けは苦しいのはいけないし、着物は我慢して着るものではありません。そもそも今の着付けが日本人が生活で着物を着ていたときの着方とはまるで違う不自然なことをしているわけで、つまり補正タオルだとかが常識になってしまってあまりにも窮屈な着付けがまかり通っているんです。

 でも昔の人は普通に着ていたんですよ。今みたいにタオルやら何やらを過剰に詰め込んでギュウギュウ紐で縛るなんてことはしていなかった。そんなことをしていたら日常を過ごせませんからね。

 しかし、今は着物が非日常となってしまったせいで、身体的な動きからはかけ離れた異常な着付けが当たり前になってしまったんです。これには原因がいくつもありますが、まずは着付けを習うには着付け教室に行かなければならない時代になった、ということが挙げられそうです。

 つまり、昔は着物なんで小さい頃から自分で着ていたから、そもそも教室で習うものではなかった。しかし、今はみんな着れないものだから教室へ通う。そうすると教室ではやはり着付けをちょっと難しくしないとお金を取れないんですよ。だから、不必要なものがどんどん積もり重なって今の着付けになってしまったと思うんです。

 だって簡単に着られては教室は商売にならないでしょう?

 そして、着付けが伝承でなくなってしまったから、着物を着るとなれば着付け教室の仰々しいやり方となって、いつの間にか着付けとはそういうものだということになってしまったんです。

 しかし、日本人が着物を日常で着ていた時代の資料なんかを見ても、今の着付けみたいなことは全くしていない。もっと自然に着ているんです。でも、そのことを着付けを教える人も全く知らないんです。今の時代は。だから、苦しい着付けが普通になってしまう。

 本来着物はゆるりと着るものです。必要な紐だけで、苦しくなくて、そして崩れない。女性の体に負担になるものではありません。

 ですから、皆様には女性の体の柔らかい曲線を生かした自然な着姿で、美しく着物をお召しになってほしいと思うのです。

 いかにもタオルが詰まりすぎた形はまるで戦隊ロボットみたいだし、動きにくくて窮屈そうだし、きれいというより同情してしまいますからね。

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