- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
「大地に還る家」は湿気を通す素材で構成することで、
これまでの高気密・高断熱住宅がビニールの雨合羽とすれば、
ダウンジャケットの様な着心地の家である。
それを可能にしてくれる素材のひとつが「ケナボードS」である。
これは、ケナフという一年草の繊維を固めて作ったものだが、
4.5mmの厚みでCN釘@100で固めると、
壁倍率3.2というすごい面剛性がある耐力面材となる。
それでいて透湿抵抗が1.0しかなく(非常に湿気を通し易い、ということ)
値段もそう高くない。
ある程度、透湿性があって、面剛性がある面材としては
ダイライトやモイスといったものがあるが、
それらよりも面剛性、透湿性、価格において優れているのである。
ただひとつ、防火性能については他の2者の方が優れている。
しかし、「大きな木の下の家」は森の中である。
延焼の恐れなどまるでない。
「大きな木の下の家」は、文字通り大地に還る家となるのである。