- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
即ち、デザインにも性能にもウルサい木造住宅を求めてやってくる人達である。
しかし、はっきり言って、その方面の専門家ではない人が、あまりにわか勉強などしない方がいい。
そんな人に限って、最悪の選択をしてしまうことが多い。
何もかも一番いい仕様で家づくりができるに越した事は無い。
しかし、それはコスト的に見合わない。
設計の仕事とは、施主の要求と予算のせめぎ合いの中で、最もバランスのいい落としどころを見出すことだ、と言ってもいいかもしれない。
さて、「大きな木の下の家」は、そんな中でも最も私の「大地に還る家」の理想的な仕様を保つ事ができている家と言っていいかも知れない。
しかし、それでも、コスト管理はしっかりやらなければならない。
そのひとつが、サッシ。
この家には、5種類のサッシが使い分けられている。
1)デュオPGという、ペアガラス入りだが、断熱サッシになっていないアルミサッシ。
2)アルミ製断熱サッシ
3)ペアガラス入りの木製サッシ
4)トリプルガラス入りの木製サッシ
5)ヒバ材の受枠にペアガラスを入れ、アルミのフラットバーを押縁にした、現場製作のFIXサッシ
1)はサッシが結露しても構わない浴室に、2)は木製では高すぎる引き違いの掃き出し窓に使用している。
FIX窓なら、メーカーものを使わなくても大工仕事で自由に製作できるので、これも大きなコストダウンの方法である。
4)はトップスィングといって縦に回転する窓で、当初、国産のペアガラス入りのものを予定していたが、調べるとプレイリーホームズという会社が輸入もののトリプルガラス入りのものを非常に安く出していたので、それに決定。
デザインと性能とコスト、こまめに調整しておかないとね!