株主総会集中日 - 経営戦略・事業ビジョン - 専門家プロファイル

平 仁
ABC税理士法人 税理士
東京都
税理士

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寺崎 芳紀
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(経営コンサルタント)
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閲覧数順 2024年04月23日更新

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本日26日午前中に株主総会が集中して行われた。
今年は、世界経済の低迷の影響を受け、業績が低迷している会社が多く、
株主総会が荒れる可能性も示唆されていた。
そんな中、昨日25日に株主総会が開催された日本興亜損保では、
新旧の経営者が株主総会の場で激しいやり取りが行われたと言う。
25日20時4分時事通信社ネット記事はこう報じた。

日本興亜損害保険が25日開いた株主総会は、議長の兵頭誠社長と株主として
出席した松沢建・前会長が、現経営陣の下で基本合意した損害保険ジャパン
との経営統合をめぐり、激しい応酬を繰り広げる異例の展開となった。
「経済の状況は流動的だ。なぜ今、こんなこと(経営統合)をするのか」。
損保ジャパンとの統合に反対を表明している松沢前会長は声を荒らげて質問。
これに対し、兵頭社長は「株主様(松沢前会長)は過去いろいろな経験を
して、その素晴らしい経験を基に現在を見ている。しかし、わたしは現在の
経験を基に未来を見ないといけない」と挑発気味に答えた。
松沢前会長が「とんでもない。わたしは将来を見ている。あなたは現在しか
見ていない」と激高すると、兵頭社長が「はいはい、分かりました」と
投げやりな態度で受け流すなど、お互いの感情をぶつけ合う場面が続いた。
現・旧首脳の対立に、一般の株主の反応は冷ややか。出席した無職男性
(65)は総会終了後、「感心しないね。何も株主総会で感情的にやりとり
することはない」とあきれ顔だった。


新旧の経営者が株主総会の場でやり合うという異例の展開を見せた日本興亜損保。
一般の株主を無視した感情論の議論は、会社のファンだから株主になる
というスタンスの長期安定個人株主を失うことになりかねないだけに、
違和感を覚えるところだ。

しかし、我が国の株主総会は概してシャンシャン総会でお茶を濁している
ケースが多いだけに、株主総会で活発な意見が出ることはいいことではある。

日本興亜損保のケースは、現社長が元社長に対して誠実な対応を見せている
とは思えず、これが一般の株主からの質問に対しての対応だったとしたら、
大問題であろう。
株主からの貴重なご意見に真摯に対応しようとする姿勢が見えてこず、
若干の懸念を残すものになってしまったのではないだろうか。

時事通信の記事でも一般株主が「感心しないね」とコメントしているが、
元社長からの質問に対して、感情的になっている元社長が浮いていると
思えるほど、周りの一般株主が納得できる答弁がなされていたならば、
参加された一般株主からの信頼は一層強まるのではなかろうか。
それとも、一般株主にも聞かれたくない何かが会社にあるのだろうか。

そう邪推されかねないのである。

今年は海外ファンドを中心としたいわゆる「モノ言う株主」の動きが
鈍いようですが、そこに安住することなく、株主総会が実質的に機能する
ものにしていかなければならないのではないだろうか。
経営者には、株主からの信頼を勝ち取るだけのパフォーマンスを示せる
絶好の機会でもあるはずです。

学生時代にIRを齧っただけに、株主総会集中日にはいつも思いますね。