
- 寺崎 芳紀
- 株式会社アースソリューション 代表取締役
- 東京都
- 経営コンサルタント
-
03-5858-9916
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
- 荒井 信雄
- (起業コンサルタント)
高齢化が進む日本において、介護業界はますます重要な役割を担っています。しかし、深刻な人材不足が業界全体の課題となっており、その解決は喫緊の課題です。今回は、介護業界が直面する人材確保・育成の現状と、求められる対応戦略について掘り下げて考えていきたいと思います。
●深刻化する人材不足の現状
介護業界における人材不足は、単なる人手不足というだけでなく、質の高い介護サービスを提供するための人材育成が追いついていないという側面も持っています。高齢化の進展に伴い、介護ニーズは多様化・複雑化しており、専門的な知識やスキルを持つ人材が求められています。
しかし、介護職の給与水準や労働環境は、他の産業と比較して必ずしも恵まれているとは言えません。これが、人材不足の一因となっていることは否定できません。また、介護の仕事に対する社会的なイメージや認知度も、人材確保を困難にしている要因の一つと考えられます。
●人材確保・育成に向けた対応戦略
このような状況を踏まえ、介護業界が人材を確保し、育成していくためには、以下のような戦略が求められます。
1. 多様な働き方の導入
介護業界では、従来のフルタイム勤務だけでなく、多様な働き方を導入することが重要です。副業や短時間勤務を許可することで、潜在的な人材層にアプローチすることができます。例えば、子育て中の主婦や、他の仕事と両立したい人など、多様なライフスタイルを持つ人々が介護の仕事に携わる機会を増やすことができます。
また、多様な働き方は、既存の職員の離職防止にもつながります。柔軟な働き方ができる環境は、職員の満足度を高め、長期的なキャリア形成を支援します。
2. 外国人労働者の活用と早期からの採用計画
人材不足を補うためには、外国人労働者の活用も視野に入れる必要があります。しかし、外国人労働者の受け入れには、言語や文化の違い、資格の問題など、様々な課題があります。そのため、早期からの採用計画を立て、受け入れ体制を整備することが重要です。
外国人労働者に対しては、日本語教育や日本の文化・習慣に関する研修を実施することで、スムーズな職場への適応を支援する必要があります。また、資格取得支援制度を活用し、外国人労働者のスキルアップを促進することも重要です。
3. 資格取得支援制度の活用によるスキルアップ促進
介護職の専門性を高めるためには、資格取得支援制度を積極的に活用することが重要です。資格取得は、職員のモチベーション向上につながるだけでなく、サービスの質の向上にもつながります。
資格取得支援制度としては、研修費用の補助や、資格取得後の手当支給などが考えられます。また、資格取得だけでなく、定期的な研修やスキルアップのための機会を提供することも重要です。
●まとめ
介護業界における人材確保・育成は、喫緊の課題であり、業界全体の持続可能性を左右する重要な問題です。多様な働き方の導入、外国人労働者の活用、資格取得支援制度の活用など、多角的なアプローチで人材確保・育成に取り組む必要があります。
介護業界が魅力的な職場となり、質の高い人材が集まることで、高齢者が安心して生活できる社会の実現に貢献できると信じています。
このコラムの執筆専門家

- 寺崎 芳紀
- (東京都 / 経営コンサルタント)
- 株式会社アースソリューション 代表取締役
介護事業所の開設から運営まで、オールワンでお手伝いいたします
有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。
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