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閲覧数順 2025年05月12日更新

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介護事業の未来を拓く:経営の協働化・大規模化がもたらす可能性

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日本が超高齢社会を迎える中、介護ニーズはますます高まっています。しかし、介護業界は慢性的な人手不足や経営難に直面しており、その持続可能性が危惧されています。このような状況を打開するため、近年注目されているのが「経営の協働化・大規模化」という考え方です。


⚫︎データが示す大規模化のメリット

厚生労働省の調査によると、在宅・施設サービスともに、「規模が大きいほど収支差率が上昇する」というデータが出ています。これは、大規模な事業所ほど、スケールメリットを活かして効率的な運営ができ、収益性が高まることを示唆しています。

具体的には、以下のようなメリットが考えられます。

・コスト削減: 食材の一括購入や事務部門の集約などにより、コストを削減できます。


・人材確保: 大規模な事業所は、給与水準や福利厚生を充実させやすく、人材が集まりやすい傾向があります。


・専門性の向上: 多様な職種のスタッフが連携しやすくなり、専門性の高いサービスを提供できます。


・経営基盤の強化: 経営資源を集中させることで、リスク分散や財務体質の強化につながります。


⚫︎社会福祉法人における協働化・大規模化の促進

特に、社会福祉法人においては、経営の協働化・大規模化を促進することが重要です。社会福祉法人は、地域福祉の中核的な担い手として、その役割がますます重要になっています。しかし、小規模な法人が単独で運営を続けるには限界があり、経営基盤の強化が急務となっています。

協働化・大規模化を進めることで、社会福祉法人は以下のようなメリットを享受できます。

・地域ニーズへの対応力向上: 複数の法人で連携することで、多様なニーズに対応できるサービスを提供できます。


・人材育成・研修の充実: 共同で研修制度を設けたり、人事交流を行うことで、職員のスキルアップを図れます。


・経営ノウハウの共有: 各法人のノウハウや経験を共有することで、経営改善や効率化につながります。


・地域におけるプレゼンス向上: 大規模な法人として地域に貢献することで、信頼性や認知度を高められます。


⚫︎協働化・大規模化に向けた課題

もちろん、経営の協働化・大規模化には課題もあります。


・法人間の連携・調整: 複数の法人が連携する場合、意思決定の遅れや意見の対立が生じる可能性があります。


・組織文化の融合: それぞれの法人が持つ組織文化を融合させ、新たな組織文化を構築する必要があります。


・情報システムの統合: 業務効率化のためには、情報システムを統合し、データを共有する必要があります。


・地域住民の理解: 地域住民に対して、協働化・大規模化の目的やメリットを丁寧に説明し、理解を得る必要があります。


⚫︎課題解決に向けた取り組み

これらの課題を解決するためには、以下のような取り組みが求められます。


・明確なビジョンと目標の共有: 協働化・大規模化の目的やメリットを明確にし、関係者間で共有することが重要です。


・円滑なコミュニケーション: 定期的な会議や情報共有の場を設け、法人間のコミュニケーションを密にすることが必要です。


・専門家の活用: 経営コンサルタントや弁護士などの専門家を活用し、組織運営や法務面でのサポートを受けることが有効です。


・段階的な導入: まずは一部の事業で連携を始め、徐々に範囲を拡大していくなど、段階的な導入を検討することも有効です。


⚫︎まとめ

介護事業における経営の協働化・大規模化は、多くの可能性を秘めています。データが示すように、大規模化は収益性向上や人材確保につながり、社会福祉法人においては、地域ニーズへの対応力向上や経営基盤の強化に貢献します。

もちろん、課題もありますが、明確なビジョンと目標の共有、円滑なコミュニケーション、専門家の活用、段階的な導入など、適切な取り組みを行うことで、課題を克服し、協働化・大規模化を成功に導くことができます。

介護事業の未来を拓くために、経営の協働化・大規模化を積極的に推進していくことが求められています。

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(東京都 / 経営コンサルタント)
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有料老人ホーム施設長・訪問・通所介護管理者・老健相談員、事業所開発等の経験を活かし、2007年7月に弊社を設立しました。介護施設紹介サービスをはじめ、介護事業所の開設・運営支援等を行い、最近では介護関連の執筆活動にも力を入れております。

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