小さなキッチンの大きな可能性(2) - 住宅設備全般 - 専門家プロファイル

近藤 壯一郎
台所計画工房 キッチンスペシャリスト
神奈川県
リフォームコーディネーター

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閲覧数順 2024年04月26日更新

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小さなキッチンの大きな可能性(2)

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たかがキッチン、されどキッチン
さて、スモールキッチン、コンパクトキッチンで参考にしたいのは、欧米のアパートメントやタウンハウスなどに造られるキッチンである。

なかでも、現在のシステム化されたビルトイン式(造り付け)キッチン(日本では「システムキッチン」)の原型とされる、1926年にドイツのフランクフルトで労働者向けのアパートメントに採用された「フランクフルトキッチン Frankfurt Kitchen」は、わずか1.9m x 3.4m(4畳ほど)のスペースにキッチンの機能が効率よく配置され、なおかつ壁面には折りたたみ式のアイロン台まで備えていたという。

右の画像は当時のフランクフルトキッチン(上)と再現されたもの(下)
Wikipedia-Frankfurt Kitchenより)

このキッチンをデザインしたのはリホツキー(Margarete Schutte-Lihotzky)という女性建築家で、そのコンセプトは当時の女性の社会進出(女性も働きに出る)の後押しをするため、キッチンでの作業の効率化と作業時間の短縮を実現できるものということであった。

しかし、だいぶ後になって(1970年代〜80年代)このような作業効率優先の狭いキッチンは作業をする主婦だけがそこに取り残され、他の家族から疎外されるということで批判されたりもした。

女性解放のための一つの案であったはずが、逆に女性をキッチンに縛り付ける結果になりかねないからというのである。

そのあたりからだんだんとキッチンがオープン化されていったのではないだろうか。

続きは次回。