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三田ガーデンヒルズの敷地はもともと何があったのか?

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三田ガーデンヒルズは買いか?(その2)

 

三田ガーデンヒルズの敷地はもともと何があったのか?

三田ガーデンヒルズの立地は北側には赤羽川という河川があり、ちょうど首都高速の高架下にある。

東側は旧鎌倉街道で現在は国道1号線、その先には三田駅や田町駅がある。

 

今でこそ「格別な丘」と称されるが、もともとはどんな土地だったのだろうか。

 

この一帯は江戸時代初期まで赤羽川の水を利用した水田地帯であったのだが、明暦初年(1655年)頃に久留米藩有馬家の江戸上屋敷となってから「有馬ガ原」と呼ばれた。

久留米藩上屋敷は2万5千坪(約8万3千平米)もあり、三田にあった薩摩藩上屋敷(現在のNEC本社周辺)の2万2千坪を上回る広さがあった。

 

この久留米藩上屋敷があった場所は江戸時代の地形を当時のまま残している感じで、三田ガーデンヒルズの土地にあった旧東京簡易保険支局、三田国際ビル、都立三田高校、港区立赤羽小学校、済生会中央病院、国際福祉大学三田病院が建っている場所である。

 

このように、三田ガーデンヒルズの敷地は大名屋敷の一部であったことがわかる。

 

<昭和11年当時の旧久留米藩江戸上屋敷跡地の全体図>

 

名物は火の見櫓と水天宮

久留米藩上屋敷の名物は火の見櫓と水天宮といわれ、火の見櫓については幕府より増上寺の防火・消火にあたる大名火消を有馬家が命ぜられたため、ここに高さ三丈(約9メートル)の火の見櫓を組んだとのこと。

他家の火の見櫓は2丈5尺以内であったため、有馬家の火の見櫓は日本一と称され江戸中から見えたといわれている。

 

また、水天宮と言えば今の日本橋蛎殻町の水天宮が有名であるが、水天宮の総本宮は福岡の久留米にある。

その水天宮を久留米藩上屋敷に勧請したのが江戸の水天宮の始まりで敷地の西北にあたる場所に水天宮があった。その後、明治に入り下屋敷があった日本橋蛎殻町に移された。

 

このような歴史的背景から、ここの土地は昔から高い場所であり由緒ある土地柄といえるだろう。

 

旧東京簡易保険支局があった場所

旧東京簡易保険支局は1929年3月に竣工、建物の概要は鉄筋コンクリート造地下付3階建、一部4階という建築。

敷地面積は26,860平米、建物延床面積は約34,590平米というかなりの規模であった。この建物はデザインのレベルや高い完成度であったため昭和初期を代表とする建築物であった。

 

建築当初の意匠に影響を及ぼさないように1980年代に大規模改修工事を行ったり、2000年あたりに耐震改修工事も行ったりしていた。再開発の際にはこのような歴史的建築物を保存しようという動きがあったのだが、結局は民間に売却されて現在に至っている。

 

 

<解体前の旧東京簡易保険支局の建物と建築当時の図面>

 

三田ガーデンヒルズにおける旧東京簡易保険支局の一部保存・再生

このエリアの再開発の際には旧東京簡易保険支局の建築物の保存がなされる可能性もあったが、最終的にはメインの建物入口ファサードと建物内の階段室を再生する格好で旧東京簡易保険支局の意匠の一部を残すということで、歴史的建築物は引き継がれることになった。

 

<建物内の階段室を再生:イメージ>

 

日本建築学会では日本郵政や東京都、港区などに宛てた保存要望を出したのだが、結局、それはかなわなかったわけである。

 

旧東京簡易保険支局の建物すべてを保存することが出来れば一番良かったのだろうが、土地の所有者はいわゆる日本郵政グループであったため、かんぽ問題が取りざたされている時期も手伝って売却という流れになった。日本郵政には売却益で850億円もの譲渡益を得たとされる。

一部保存だけでは、建築されるマンションに対して高級感を上乗せする材料ではないかとも揶揄されている。

 

はたして三田ガーデンヒルズはどれだけの高級感がある建物になるのだろうか・・・

 

続く

 

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余談 有馬家の「有馬猫騒動」

久留米藩の第8代藩主有馬頼貴の時代に、酒宴の席に子猫を犬が追ってきました。

この時、関屋という女中が子猫を助け、犬を退治して、殿様に気に入られ、お滝の方と名を改め、殿様の寵愛を受けたそうです。

ところが、同僚の女中から嫉妬されイジメを受け、特に岩波という老女のイジメがすごく、お滝の方は自殺してしまいます。

お滝の方に仕えていた女中はこれに怒り、岩波に敵討ちを挑みますが、返り討ちになりそうになった時に、可愛がっていた猫が怪獣に化けて現れ、岩波を喰い殺してしまったのです。

その後、この猫はお滝の方や藩士の母親に化けて、様々な悪さをしました。

そこで、藩士山村典膳と有馬家のお抱え力士小野川喜三郎が、上屋敷の火の見櫓にひそんでいる怪猫を退治。のちのたたりをおそれた久留米藩は江戸の藩邸に怨念を慰めるため猫塚を建てました。その猫塚は今も赤羽小学校の体育館の裏に残されています。


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