この5月は気温天気の差が大きく、体調が振り回されてスッキリしない方も多いと思いますが、いかがお過ごしですか。
さて、カウンセリングでは、感情のコントロールが難しい、感情の波が激しいというお悩みも多いのですが、そのとき出てくる感情の代表の一つが「怒り」です。
よくある誤解は、怒りをおさえつけようとしてうまくいかないというものです。アンガー・マネジメントとは、怒りを抑圧したりゼロにしたりすることではなく、怒りの原因を減らし、それでも出てきた怒りを適切に処理するということです。
ここでまた誤解が多いのですが、怒りの原因は、誰かや何かではありません。誰かの言動や起こった何かを各人がどう受けとめるか、その受けとめ方が原因なんです。だから、同じ状況でも怒る人と怒らない人がいるわけです。
では、どういう受けとめ方が怒りを生みやすいのか挙げていきますね。
・正しさ、正義感、正解を求める
・勝ち負けにこだわる
・完ぺき主義、白黒思考
これらは、いずれも100か0かで中間がなく、極端な考え方ということが共通しています。私も心理を学ぶ前(30代)は、これらの考え方がまさに「正しい」と思っていたのですが、こうした考え方は不健全・未熟であり、あいまいさを受け入れられること=健全だと知ってショックを受け、必死に矯正し、今は「どっちでもいい」「どうでもいい」と思えることが増え、怒りが激減してとても心穏やかになりました。だから、性格だからとあきらめるのは早いです。
・コントロール欲求、べき思考
怒りは思いどおりにならないときの感情です。つまり、イライラする=コントロールできないものをコントロールしようとしているということです。「他人と過去は変えられない」という格言のとおり、あの人の言動、ましてや考え方を変えることはできないのに、「こうすべき」とこだわっていませんか。コントロールできるのは自分の考え方や自分の言動です。自分は「正しい」から相手が変わる「べき」、という考えを変えないかぎりイライラは減りません。
・被害妄想
・自己犠牲的がまん
イライラしやすい人の話を聞いていると、過剰に被害的に受けとめていて、「それは悪く考えすぎじゃない?」と思うことが多いです。たいてい誤解されているという話なのですが、誤解を解こうとしてもわかってもらえかったり、何もせずあきらめていたりして、基本が「どうせ・・」という被害的な姿勢になっているようです。相手ともめたくないからと自動的にがまんすることも多く、自分ばかり損しているという気持ちになりやすく、それが不満になり怒りが溜まっていきます。
以上、ご自身の傾向にあてはまるものがあったら、ぜひそれを手放すよう意識してみてください。100-0思考でいきなり0を目指さず、少しずつ、まず自覚して都度気づくこと、気づいたら手放すようにしてみて、うまくいってもいかなくても「ナイストライ」と自分をほめてあげることを地道に続けていけば、だんだんできるようになります。数カ月~1年くらいを目安に続けてみて。
イライラしやすい方はすぐに結果をほしがる傾向があり、すぐに結果がでないとあきらめてしまうことが多いのですが、本当に平穏を手に入れたいなら地道な努力を試す価値ありです。
このコラムの執筆専門家
- 藤井 雅子
- (東京都 / 心理カウンセラー)
- メンタルエステ ココロの部屋
カウンセリングはココロのエステ
自分を好きになれない、自信がない、思ったことを上手に表現できない、人目が気になって仕方ない、不安やイライラで毎日が楽しくない、甘え下手・・でもどうしていいかわからない、そんな悩める女性たちを心から応援します。ぜひ一度ご相談ください。