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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月17日更新

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カナダ大学留学 - 学位を取っても仕事がない

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昨日のコラム「上がり続ける学費に喘ぐカナダ大学留学生 - 食事の量を減すしかない」では、パンデミック・学費の高騰・インフレに喘ぐ大学留学生の現状をCBCのの記事から書きました。

 

今日はその続編、とうとう取れた大学学位。 Yay!

良い仕事について、そこからは順風満帆?

いえいえ、今の時代を生きる若い世代の苦難は続きます。

 

権威あるカナダの教育雑誌Maclean’s magazineから。

Young, working Canadians face a dilemma: eat, or pay the bills?

 

パンデミック以前からもすでに厳しくなっていた就職事情に、コロナが追い打ちをかけました。

折角とった学位の専門知識・スキルを使う職にはつけず、フードサービスなどの短期雇用で食いつなぐしかなく、しかもその短期雇用もコロナの制限により何度も中断された。

結局、自らの専門分野でのキャリアを形成する機会さえなく、社会の底辺に落ちていく大卒の若者たちの姿を浮き彫りにしたこの記事は、読んでいるだけで心が痛いです。

 

4年前トロント地域の大学を卒業、Sound Designの学位を取った25歳のAlex Fecioru。

パンデミック前は、専門分野の経験を積み、キャリア形成のため、関連する職場を2つかけ持ちする生活でした。

将来、音楽業界でフルタイムの仕事に就くことを夢見ていたFecioruの夢が潰れてしまったきっかけはコロナ。

 

音楽関連の仕事がなくなり、その後はフードサービスからフードサービス、レストランの皿洗いなどで最低賃金をもらい何とか食いつなぐ生活。

特にこの数ヶ月は、Fecioruの一生の中で一番空腹な時期だったとか。

家賃の恐ろしく高いトロントで借りている小さなアパートは月$820。

トロントにしては、まぁまぁの家賃ですが、Fecioruの収入の大部分を占める額ですので、どうにか生きていくためにFecioruに出来ることはただひとつ。 必要な出費を控えること。

その必要な出費とは – 食費。

 

必死で仕事探しをした結果、Fecioruはやっとアートギャラリーのコート預かり係に採用されましたが、オミクロンの広がりによる新たな制限により、あっと言う間にレイオフされました。

皿洗いの仕事も、レストランへのコロナ制限のため消滅。

 

これはFecioruだけでなく、カナダ全域(世界中と言ってもいいかも知れません)で起こっている憂える事態です。

大学で高等教育を受けた若者たち、教育レベルも高く、働く意欲の高いカナダの若者たちが食べていくこともままならず、社会に貢献出ない状態となっています。

 

大学を出ても仕事に就けず、フードサービスを転々とする若者で溢れるカナダでは、生活に困窮し将来への希望を失っていきます。

Fecioruは、レストランの皿洗いの仕事をしている時にも、それではとても食べて行けず、何週間もピタbreadとピーナッツバターだけを食べてしのいだそうです。

一日に使える食費は$5と決めたFecioruですが、精神的にもどんどん追い込まれて行きました。

 

 “I’ve been pushed to a point where I’ve broken down mentally,” Fecioru says, referring to times when he’s worked two and even three jobs at once. He pauses, picking his words. “There have been times where it’s hour 14 of a 16-hour day and I just break down in front of customers.”

「精神的に崩れるほど追い込まれました。」Fecioruは2つ、いや3つも仕事をかけ持ちしていた時のことを話してくれました。

言葉を選びながら、「時には一日に14〜16時間も働くこともあり、客の前で泣き崩れてしまったこともありました。」

 

これはFecioruだけの問題ではなく、カナダ全土に広がる危機的な状況です。

カナダの若者が希望を失い、将来を見ることが出来ない状況は、社会にも経済にも大きな損失です。

 

しかし、これはカナダの目に見える悲惨な現状。

大学を出ても仕事のない若者だけでなく、カナダの人たちの60%が(18〜24歳の若者も含む)食べるにも事欠いているそうです。(the Angus Reid Institute)

2019年のリサーチ時には36%でした。

これを見ても、いかにカナダ経済・社会の現実が悪化しているのかわかります。

 

食費が給料の上昇よりはるかに早い勢いで上がっているのも理由のひとつです。

カナダのインフレは凄まじいです。 スーパーでも思わず「やめとこう」と思うほど高くなりました。

窃盗も異常に増え、特にバンクーバーやトロントなどの都会では、歩いているだけで危険を感じることも多くなりました。

_____________________

 

これが今のカナダです。

留学してくる日本のみなさん、カナダは「夢見る平和で綺麗な国というわけではありませんよ。

 

確かに、自然は素晴らしい、特に今私の住むアルバータ大平原では、毎日息を飲むほどです。

今はCabinが出来るまでの仮住まいですが、家のドアを出て3分でこの景色です。

 

でも、近くのスーパーに行くと現実が直撃します。

シャワーも満足にしていないかなと思える人が(臭いです)、かごにほんの少しの食料(主に缶詰、ピザの冷凍生地)を買って出て行きます。 何を食べるんだろう。。。と心配になるほどです。 野菜や果物は高すぎるので買っている人はほとんどいません。

 

先日引越し後の車の保険手続きに行った時に、こんな事を聞きました。

「最近は車両保険を払えず、ナンバープレートを盗んでいる人が多くなってるから気をつけて。事故で相手側が無保険というのも日常茶飯事になっているので、その保険もついてますからね。」と。

わぁ、ここまで来たか、カナダ。

 

税金が安いので物価も他の州よりは7%安いアルバータ、しかも田舎でこれですから。

バンクーバーやトロントなどの状況は想像するだけでゾッとします。

そのバンクーバーを出て、正解だったかな、と。

 

カナダ留学を予定しているみなさん、現在留学中のみなさん、厳しい社会が待っているカナダです。

ホームステイなどは今後問題が起こるかも知れませんね。 ホストの経済困窮度により。

 

こんなカナダを経験し、カナダ社会にも貢献したいと思っているみなさん

 

カナダにいらっしゃい!

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カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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