- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
カナダの大学正式留学を目指したご相談が相次いでいます。
世界が大きく変わっていることが引き金になったのでしょうか。
予測出来ない未来に向けて、日本の外に飛び出そうという気持ちが強くなったのでしょうか。
日本の高校で能力を伸ばし、様々な体験を積み、親元で、母国語環境で、精神的にも健全な生活を送って来た高校生からの相談は、私も気合が入ります。
日本の高校から見事アメリカの大学正式入学を果たし、8月に渡米する将来有望な生徒のお母様からこんなコメントもいただきました。
教育などにも深く関与され、日本の外での経験も豊富な広い見識をお持ちの方からの言葉です。
私が常々叫んでいる(本当に叫びたい気持ちです)「ぬるま湯のような日本の大学」と「海外大学」との大きな落差も見えてくるコメントをご紹介します。
英語圏大学留学したい人は必読のコメントです。
大学学部出願のプロセスで気が付いたこと
1.出願のエッセイ
アメリカ(カナダでも同様)の大学出願へのエッセイを書くプロセスでは、自分を根本から徹底的に見つめることが必要となります。
自分はどんな人間なのか?これからどんな人間になりたいのか?そして将来はどんなことをしたいのか?それはなぜなのか?等々。
これが約1年に亘る産みの苦しみで、練り直し書き直しという毎日が続きました。しかし、長い時間をかけて、自分自身と自分が何を学びたいかということを徹底して掘り下げるプロセスは重要だと実感し、日本の大学生も、ただ何となく大学の名前や偏差値で自分の行けそうなところを選んで受験するのではなく、受験前にこのプロセスを経験できたらいいのにと思いました。
日本の大学もAO入試が増えており、志望動機などを書かせます。
私も何度か添削に関与しましたが、みんな中身がありきたりで薄い印象は否めませんでした(おそらく短時間で書いたものかと)。言ってみれば、みんながエッセイの書き方事例のセットパターンを真似た印象で、面接官に簡単に突き崩されそうな内容であり、残念に思いました。
受験塾の指導を受けたものということでしたが、それにしても···という印象で、日本の塾産業は、まだまだそうしたエッセイの指導が発達途上なのだと思います。
(大澤言:日本の大手の塾で留学前のエッセイ練習をしていました」また「TOEFL/IELTSのエッセイ練習を大手の塾でやりました」という生徒にも結構出会いましたが、正にこのコメント通り。自分の考えを論理的・具体的に組みたてる英語のエッセイからははるかに遠いものしか書けません。
日本語で考え、日本式に指導している限り、どんな大手の名前がつこうが日本では英語エッセイ指導は不可能に近いようです。)
2.出願先の選び方
出願時のエッセイや面接では「なぜこの大学を希望したのか」ということを必ず聞かれます。
従って、出願先を選ぶ際にはインターネット上の情報に始まり、アドミッションオフィスやOBなどの話も聞きながら候補となる大学について調べ、比較検討をしていました。
自分の学びたいことができるかどうかから始まり、それぞれの大学の方針や特色、力を入れている取り組み、ユニークな試みや留学生に対するサポート、4年後の出口など、学校によって多種多様です。
日本での大学受験では、模擬試験での偏差値や大学の名前が目安となっていることが多いように思います。
日本で、入学後に5月病になったり「思っていた大学生活ではなかった」などと挫折してしまう学生がいるのは、結局、しっかり調べた上で受験校をきめた訳ではないことに起因しているのかもしれません。
進学先を決める際には「なぜこの大学に行きたいのか」「この大学で何をしたいのか」を掘り下げ、そして「この大学はどんなところで何ができるのか」を調べて把握することが必須であると感じました。
大澤言:『〇〇大学に行ってます。』『へぇ〜そこで何を専門に勉強しているの?』
『経済です。』『だから経済の何を専門に学んでるの?』
『えぇっと。。』
日本の大学生とよく交わす喜劇のような問答です。
カナダでは「どこの大学に行ってる?」は問題にもされません。「何を学んでいるか」だけです。
それに答えられない大学生? 仰天レベルです。
3.難易度の高さ
海外進学の難易度は相当高いことを実感しました。
誰でも留学できる訳ではない、と大澤さまも発信されていましたがその通りでした。
また、テストスコアや日本での成績も何も保障してくれないということが良くわかりました。
自分の実力や身の丈を知った上で出願校を決めること。
知名度やランキングに左右されず、自分に合ったところに進学すべきということも実感として理解できました。
大澤言:難易度の尺度も違いますね。
カナダの大学では、クリティカルシンキングの深さが難易度の一部です。
小学校・中学校、高校までで身につけた論理的・科学的・客観的・批判的思考法能力の高い学生が集まるのが、難易度の高いカナダの大学です。
受験だけを目標に暗記三昧し、高校までの教育が大学とはつながっていない日本の制度の欠陥を痛々しく思います。
4.入学後
出願プロセスの一環で多くのオンライン面接も受けましたが、OBから繰り返し「4年間はひたすら勉強しないといけない」という話がありました。
アドミッションオフィスの方や指導をうけたカウンセラーからも
「イメージとして70点以下を2学期続けてとると即退学」
「大学の名前で評価するのは日本だけ、欧米では大学の名前ではなく、そこでとった成績がすべて、成績は大学院進学や就職やすべてのステップについて回る」
というコメントがあったとのことで、親としても日本の大学との違いに驚いた次第です。
大澤言:大学教育を受けた人とそうでない人の違いが歴然としているのがカナダ・アメリカです。
それだけ死にものぐるいで勉強しないと即退学となる大学で、高いレベルの専門性を身につけた人たちは、黙って立っていてもわかります。
それが大学教育の価値であり、社会の進歩に大きく貢献している人たちです。
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経験なさった方からの生の声でした。
〈カナダ大学正式留学eBook〉と合わせて熟考するきっかけになれば幸いです。
「日本でろくな大学に行けないからカナダにでも行こう。」
「エージェントは語学学校で英語は学べるので、大丈夫と言った。」
などがいかに現実を知らない戯言かがわかっていただけましたか。
「留学」は、特別な能力を持ち、特別に努力した人で、特別な知識スキルで社会・世界全体に貢献する意欲のある人だけのもの。
です。
カナダ大学留学を目指したい方、ご連絡下さい。
アドバイス致します。
カナダにいらっしゃい!
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このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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