- 佐々木 保幸
- 税理士法人 洛 代表
- 京都府
- 税理士
対象:税金
平成30年に改正相続法(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律)と同時に成立した「法務局における遺言書の保管等に関する法律」は、法務省における自筆証書遺言の保管制度について規定したもので、本年、令和2年7月10日がその施行日(制度開始日)とされている。
この保管制度は、公正証書遺言に比べ手軽に作成できる一方、形式上の不備や内容の信頼性など問題の起こりやすい「自筆証書遺言」について、一定の様式による自筆証書遺言を法務局に保管することにより、紛失・亡失、相続人による廃棄・隠匿・改ざんなどにより相続をめぐる紛争の防止や相続手続を円滑に進めることができるなどの目的により創設される。
※家庭裁判所の検認手続も不要。
※保管の申請は、遺言者の住所地若しくは本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局。
遺言者の手続
相続人等の手続
自筆証書遺言書の様式について
この保管制度を利用する際に必要となる各手数料が明らかとなった。(3月23日付「法務局における遺言書の保管等に関する法律関係手数料令」公布)
〇遺言書の保管の申請をする場合には、1件につき3,900円
〇保管された遺言書の原本を閲覧するには1回につき1,700円
〇遺言書の撤回及び変更の届出については、手数料は不要とされている。
※これら手続を行う際は事前に予約が必要。
自筆証書遺言書保管制度の手数料一覧・遺言書保管所一覧・遺言書保管所管轄一覧
※遺言書情報証明書:遺言者の相続人、受遺者等が、遺言者の亡後に交付を受けられる遺言書の写し
※遺言書保管事実証明書:特定の死亡している者について、自己(請求者)が相続人、受遺者等となっている遺言書(関係遺言書)が遺言書保管所に保管されているかどうかを証明した書面
(参考)公正証書遺言の作成に係る手数料は次のとおり。
公正証書遺言の作成費用(日本公証人連合会)
遺言書方式の選択にあたっては、保管制度の利用の有無、費用も含めた判断が必要です。
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