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大澤 眞知子
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閲覧数順 2024年04月24日更新

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高校留学に必須 - プラスチックな脳

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脳のPlasticity (プラスチックのように柔軟性があること)は多くの脳科学者が注目している分野です。

失われた脳の機能がPlasticのように柔軟に再築され、脳細胞のネットワークが新しく出現していく過程には目をみはります。

 

生まれながらに脳のCerebrum (日本語では大脳と呼ばれます。脳細胞が凝縮し、それぞれがコミュニケーションを取り、ネットワークを作り、知的活動を行う部分)が非常に小さく、脳全体の2%しかない状態で生まれた赤ちゃんNoahのケースも脳科学者を興奮させました。

イギリスでの出来事です。

Cerebrospinal fluid (脳脊髄液)が異常に多く、そのため本当に必要なCerebrumが育つ隙間がほとんどなかったのが原因です。

 

Noahは基本的な成長過程からはほど遠く、座れない、寝返り出来ない、歩けない、言葉が異常に遅い、反応が遅いなどの症状を見せていました。

そこで脳科学者たちがある提案をしました。

脳のPlasticity(柔軟に変わる特性)を最大利用する実験です。

 

日常生活環境で出来るだけたくさんの刺激を与えること。

それも、無理やりおもちゃや、人工的な道具を使うとかではなく、常に一緒にいる親からの語りかけ、赤ちゃんからの反応へのまた親からの包み込むような反応、外に連れ出し自然の中で刺激を与えること、多くの多様な人と出会うこと、などなどを徹底しました。

 

そうしたら、なんと!

3歳を迎える頃にはCerebrumが脳に大きく広がり、正常な脳に近づいて来たのです。

 Cerebrospinal fluid がぐんぐん成長して来たCerebrumに押され、だんだん後退していった様子がMRIにはっきり現れています。

 

Noahは実に表情豊か、感情も豊か、周りの人とのコミュニケーションも効果的に取れるようになりました。

かなりの思考能力も認められるようになりました。

クリティカルシンキングの芽が育っているのにもびっくり。

ただ、まだ自分で歩くことはかなわず、日常生活は親に頼ることが多いですが、それも今後のCerebrumの成長によりどんな効果が出てくるのか、世界中の脳科学者が注目しているわけです。

 

そう、人間の脳はPlasticのようなもの。

正しい刺激でどんどん豊かに、賢くなって行きます。

 

このケースを読んだ時、「日本社会と教育」と「高校留学生の親」とが妙に頭に浮かんで来ました。

 

日本社会も教育も、「受験」「名門校」「塾」で子供たちを追い立てます。

子育てに奔走するお母さんたちは、少しでも良い塾を見つけ、少しでも良い学校に入れ、少しでも良い成績を取らせようと必死になります。

社会のプレッシャーで、仕方ないことなのかも知れませんが、実は「日本式勉強」は脳のCerebrumの発達にはマイナス効果があると考えられています。

 

親の言うまま、幼い時から習い事、塾、受験、進学校と進む子供たちには、上述の「日常生活上の自然な刺激、多様な出会いからの刺激」はあるのでしょうか。

人工的に作られ、周りにスケジュールされた日常からは、脳の正常・健全な発達は難しいことは脳科学からも証明されているのですが、日本の狂乱的「塾」「進学」「名門校」状態は続いています。

Cerebrumが大きく育つのではなく、イギリスの幼児とは逆に退化してしまうかも知れません。

 

クリティカルシンキング思考法が日本で育たないのも、これが理由かとも思えます。

日常の自然な環境から大いなる刺激を受け、多様性あふれる社会から「なぜ」を考えることから始まるクリティカルシンキング。

塾環境で大人が作った刺激からは育たない思考法です。

 

ところが!

そんな熱心な親が高校生年代の子供を、今度は英語圏の留学に送り出します。

「さぁ、今度は英語がしゃべれるようになりなさい!」と。

または、流行りに乗り遅れないようにとの焦りもあるかも知れません。

 

めちゃくちゃですね、脳科学の見地から言うと。

子供の脳のCerebrumの発達を損なうような「塾」「進学校」「名門」「学校でトップの成績」と追い立てられた脳を、英語圏のクリティカルシンキングの中に放り込んだら、どんな結果になるか。

あふれるような好奇心を持ち、自分の興味を育て、問題集の答え暗記ではなく、自分の考えを論理的・客観的・具体的に組み立てて行く脳のネットワークが必要なクリティカルシンキング。

日本の学校制度で縮こまってしまったCerebrumには、対応するのも、何が起こっているかも理解不能だと思います。

 

小さな時から自由に自分の時間をたっぷり持ち、好奇心に基づくまま自分で探求して来た日本の子供なら、窮屈な日本の教育制度ではなく、カナダなどのクリティカルシンキング教育に留学することはとても大きな効果があると思います。

が。

塾漬け、進学校漬けで育った日本の子供の脳には、どんな優秀な脳であれ、柔軟性が完全に不足しています。

そんな子供を、今度は「高校留学!」と送り出す親には、見えていない科学だと思いますね。

 

悲鳴を上げる脳。

それがカナダやアメリカで立ち往生する日本人高校留学生の姿です。

 

それでも、どうしても高校留学を!と突き進みますか?

ではお願いがあります。

その前に、果たしてクリティカルシンキング思考に自分の子供がどう対応出来るのか、あるいは全く対応不可なのか、ぜひ確かめていただきたいと切に願います。

「だめだ」と思ったら、留学は大学まで延ばす勇気も持っていただきたいですね。

 

そんな親への助っ人として開講しているのが UX English(留学生のためのカナダからのオンライン英語学習サイト)です。

各レッスン、すべてLesson OneFree Trialになっていますので、留学希望、あるいは留学させたい希望の子供さんの力試しに使って下さい。

果たして高校留学に足る柔軟思考の脳を持っているかどうかのバロメーターになりますから。

 

大切な子供さんの、大切な高校時代を潰さないためにも、まずは能力調べから「高校留学準備」は始めて下さい。

 

Don't make a mistake, Parents.

 


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(カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
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カナダにいらっしゃい!

カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。

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