
- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
貴女は息子が幾つになるまで一緒にお風呂に入れますか
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野平史彦の言いたい放題”家族論”
家族の”だんらん”はどこへ行った!?
2009-02-02 17:35
“団らんの場”は意外な所にある!?
今日は“家族の団らん”について、私のプライベートな話しをさせて頂こうと思います。
まず、我が家は私と妻と大学生の長男と、高校生の次男という4人家族です。これは私が願っていた家族構成ではありません。私は娘が欲しかったのですが、女房の陰謀(?)により息子二人となってしまいました。
さて、表題で「貴女は息子が幾つになるまで一緒にお風呂に入れますか?」と、世の中のまだ若いお母様方に問いかけているのですが、私自身の記憶では、私が幼稚園に上がる頃にはもう母と一緒にお風呂に入った記憶がありません。
ですから、我が女房には大変驚かされました。今でも息子達と平気で一緒にお風呂に入っているのです。大学生と高校生の息子とですよ!?
これが娘達が父親と、という話しなら自分の理想の家族だったのですが、、、
しかし、待って下さい。ここで私は下世話な話しをしようと思っている訳ではありません。
実はこのことにより、我が家における“団らんの場”はリビングでもダイニングでもない、バスルームなのだ、ということに気付かされたのです。
確かに現在、我が家におけるリビングは、一番のテレビっ子である私の“テレビを見る間”であり、ここで家族が何か意味のある会話をする場とはなっていません。
ダイニングも家族が揃って夕食を取っていても、相変わらずリビングのテレビが見られる状態ですから、家族が共有する話題に花を咲かせる場にはなっていません。
しかし、バスルームというのはちょっと違うのです。バスルームがまさか“団らんの場”になるとは流石に想定していませんでしたから、我が家のバスルームは僅か一坪足らずです。そこに誰かが入ると、重複して次の誰かが入ってゆきます。母親が息子達と話しがしたければ、息子が入っている時に、あえて母親も入ってゆくし、息子が母親と話したければ、またそのようにしているのです。
ちょっと不良化しつつある次男でも、最もリラックスした状態と言える湯船に浸かっている時は、母親の言う事を素直に聞けるのです。私も次男坊をたしなめる時には、一緒に風呂に入って、普段は聞けない様な話しを聞く事ができるのです。
一坪しかないスペースですから一人が湯船に浸かって、一人が洗い場で体を洗っている状態で話しをする訳ですが、時にはそこに三人目が乗り込んで来ることもあります。流石に4人目は無理なので、順次入れ替えになりますが、我が家では、この裸のつきあいのできるバスルームこそ“家族の団らんの場”ということができるでしょう。
それが最初から分かっていれば、もっと広く充実したバスルームにしたかもしれません。否、狭いからこそいいのかもしれませんが?
しかし、そのことに気付いてみると、我が女房が体を張って息子達と“家族の団らん”をしている姿が少し微笑ましく思えてきました。
皆さんのご家庭も、もしかしたら「家族のだんらんの場」は意外な所にあるのかもしれませんね。
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