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ワインの選び方が変わる!新しい品質ラベル表示とは

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こんにちは。消費者考動研究所代表 消費生活アドバイザーの池見です。

皆さんは、店でワインを買う時、何を参考にしていますか?店員さんに尋ねる方もいらっしゃると思いますが、一番多いのは、やはりボトルのラベルの表示ではないでしょうか。

実は、このワインの品質表示、特に表側のラベルの表示については、これまで国での統一ルールがありませんでした。お気づきの方もいらっしゃると思いますが、メーカーや輸入元によって、原産国や原材料の表示がまちまちなのです。特に、国産のワインと表示していても、国産のぶどうなのか、輸入したぶどう果汁を国内で加工しているのかよくわからない表示もあり、消費者の誤解につながることがありました。

そこで、平成27年の酒税法改正の際に、日本で初めての「果実酒等の製法品質表示基準」が定められました。その新しい表示基準が、いよいよ今年の10月30日以降に出荷されるワインから義務付けられます。今回は、その内容についてご紹介します。
*既に、新基準で表示して出荷しているメーカーや輸入元もあります。


新しい分類=国内製造ワインと輸入ワイン

新しい表示基準では、国産ワインに純国産品と輸入原材料を使っているものと2種類があることに着目して、次のように大きく分類されました。

「国内製造ワイン」=純国産品の「日本ワイン」と、輸入した原料を使い日本国内で製造したもワイン
「輸入ワイン」=国内で加工しない、輸入して状態そのままの果実酒


新しい表示「日本ワイン」とは?

「日本ワイン」は、原料のぶどうも醸造所も、全て日本国内のものだけの、純国産品のみに表示できます。
表のラベルにも、日本ワインだけが、「日本ワイン」の文字・ワインやぶどうの産地や醸造地名・ブドウの品種、ブドウの収穫年を表示できます。
*裏側の、原材料名や製造者名が書かれている一括表示欄には、産地・品種・収穫年を表示しないで、「日本ワイン」原材料名ぶどう(日本産)でもOKです。産地は、具体的な産地(山梨県産など)でもOKです。

[キーワードは、85%以上使用!]
地名・品種・収穫年を表示する場合は、それぞれ85%以上使用していることが条件になります。例えば…
、「日本ワイン」山梨ワイン、シャルドネ、2013年の場合は、山梨県産の2013年に収穫されたシャルドネ品種のぶどうを85%以上使い、山梨県内で醸造した場合にのみ表示できます。
<例>
・「日本ワイン」山梨産ぶどう使用、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー 2015
→2015年に山梨県で収穫された(品種)とカベルネ・ソーヴィニョン、メルローを合計85%以上使用。(醸造所は国内の別の場所の可能性あり)
*二品種以上を使う場合は、量の多い順に品種を表示します。

・「日本ワイン」東京醸造ワイン(東京は原料のぶどうの収穫地ではありません)、2017
→東京都以外で2017年に収穫された国産ぶどうを85%以上使い、東京都内の醸造所で製造。
*収穫地と醸造所の場所が違う場合は、その説明の明記が必要です。


原材料を輸入して国内で作ったワインは?

国産のワインの中には、輸入した原材料を国内で製造しているものも多くあります。
よく見かけるのは、原材料が「輸入ワイン」「濃縮還元果汁(外国産)」などの表示です。この場合は、純国産でないので、「日本ワイン」とか、ワインのやぶどうの産地名、醸造地名を表のラベルに表示できません。
[表ラベルの表示例]輸入した濃縮果汁を使い山梨県の工場で製造したワインの場合
「甲州ワイン」…NG、輸入濃縮果汁使用…OK
*表に産地表示ができるのは、純国産の「日本ワイン」のみ

また、裏側ラベルの一括表示欄の原材料名の部分には、「輸入ワイン(外国産)・濃縮果汁(外国産)、ぶどう(山梨県産)」のように、使っている割合の多い順で明記するルールになります。


輸入ワインは裏側の原産国名を見る

フランスやチリなど、海外でボトル詰めして輸入されたままのワインの場合、裏側のラベルには原産国名を明記することが義務化されました。表ラベルについては、特にルールはありません。「フランス産」などもOKです。


売り場が変わるかも?!

義務ではありませんが、店では、消費者が間違って選ぶことが無いように、「国内製造ワイン」と「輸入ワイン」を、更に国内製造ワインの中でも「日本ワイン」を別に分けて陳列することが好ましいとされました。

いかがでしたか?10月30日以降、ワインを買う時は、ラベル表示とお店の並べ方をぜひ注目してみてくださいね。

*参考:国税庁「果実酒等の製法品質表示について」


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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(東京都 / 消費生活アドバイザー)
消費者考動研究所 代表

消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート

消費生活アドバイザーは、消費者・企業・行政の懸け橋として、法律、生活知識、消費者志向経営や環境問題まで幅広い専門知識を持つ消費生活の専門家です。企業・自治体等で培った豊富な実務経験とノウハウで、貴方の消費者力UPと企業活動をサポートします。

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