意外と知らないかも!? たまごの賞味期限の「意味」
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こんにちは。消費者考動研究所代表 消費者教育コンサルタント/消費生活アドバイザーの池見です。
さて、皆さんの中には、食品を買う時、冷蔵庫で保管している時に消費期限や賞味期限を気にしている、という方は多いと思います。この消費期限と賞味期限の違いについても、だいぶマスコミなどで取り上げられていますので、もうご存知の方なのではないでしょうか。
そもそも、消費期限と賞味期限ってなに?
・消費期限:その日を過ぎたら食べないほうが良い日付。
・賞味期限:その日までおいしく食べられると考えられる日付。でも、期限を過ぎたらすぐ食べられなくなる訳ではない。
消費期限も賞味期限も、法律で食材別に細かく決められているわけではありません。生産者や加工メーカーが、自分たちの自主基準に基づいて定めています。その多くは、リスクを嫌って若干短めの設定になっています。その為、ほとんどの食品は多少期限を過ぎたとしても、匂いや色・味などを確認して問題がなければ食べられます。
たまご(鶏卵)の賞味期限は少し意味が違う
毎日の食生活に欠かせない生鮮食料品。「消費期限」表示のものが多い中、「賞味期限」表示の代表格が卵(鶏卵)と牛乳です。特にいろんな料理に使われるたまごは、ほとんどのご家庭の冷蔵庫にで常備されているのではないでしょうか。
たまごの表示については、表示する商品名や飼育方法、内容や成分など必要な情報が、消費者に正しくわかりやすく伝えて適正に選ばれるように、う、公正取引委員会の認定を受けた業界団体である鶏卵公正取引協議会が、表示の自主ルール(公正競争規約)を定めています。この基準を満たしている場合、参加会員(生産者など)はたまごに「公正」マークを貼ることができることになっています。
たまごの賞味期限についても、この公正競争規約でその基準が決められています。具体的には、「産卵日から21日以内」=「生食で安心して食べられる期限」。言い換えれば、期限後も、「焼いたりゆでたりすれば」まだ十分おいしく食べられるということです。
世界のことを考えて、捨てずに食べきりましょう!
世界には、たくさんの人々が飢餓に苦しんでいます。
元々経済的に厳しい国であったり、紛争によって貧困に陥ったり難民として家や土地を離れざるを得ない状況に追い込まれたりしています。
そして、毎日の食事を満足に得られず苦しんでいる人の数は世界で約8億7000万人。日本の総人口の約7倍もの人々が、飢えや栄養失調で苦しみ、悲しいことに命を落としています。*1
一方、日本国内では、年間1,700万トンもの食糧が捨てられています。
そのうち、まだ食べられるのに捨てている「食品ロス」は500万トン~800万トン。*2 日本の総人口で単純に計算すると、日本人は一人当たり年間で52kg、4人家族なら204kgも食べられる食品を捨てていることになります。
捨てる理由は、買ったけれど消費期限・賞味期限まで食べなかった、無駄な量を買いすぎた、保管が適切ではなかった、店舗では売れなかったなどです。
お店に行けば十分すぎるほど商品が充実している私たち日本。でも、既に世界の食糧不足は深刻です。経済力が弱い国々では、食糧の自給も輸入もままならず、経済力がある国の買い付けにより、確保したくてもできなくなってきています。
だからこそ、消費期限・賞味期限の意味を理解して期限内に食べきることができる必要な分だけ買うこと、たとえ期限切れでも自分の五感で確かめて、大丈夫なものは食べること、そして食べ物を大切にすることが、今私たちに求められています。
<参考・出典>
*1 国連世界食糧計画(WFP)
*2 農林水産省「食品ロス削減に向けて~「もったいない」を取り戻そう!~」
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
このコラムの執筆専門家

- 池見 浩
- (東京都 / 消費生活アドバイザー)
- 消費者考動研究所 代表
消費生活の専門家が消費者教育・啓発や消費者志向経営をサポート
消費生活アドバイザーは、消費者・企業・行政の懸け橋として、法律、生活知識、消費者志向経営や環境問題まで幅広い専門知識を持つ消費生活の専門家です。企業・自治体等で培った豊富な実務経験とノウハウで、貴方の消費者力UPと企業活動をサポートします。
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