マナーは相手を思いやる気持ちを、所作、動作で表現するものであるとすれば、
躾は、身を美しく整えて、振舞うために必要なものです。
だから、見た目も必要ですし、
立ち居振る舞いすべてに影響を与えるものでもあり、
それは、結局、人格を伝えるという点において相手に影響を与え、
また、躾られることによって、人格に磨きがかかるという自分への良い影響を発揮するものだと言えます。
マナーとの違いは、マナーは、相手(周囲)が基軸になり、
躾は、自分が基軸になることがもっとも大きな点でしょう。
躾は、習慣でもあります。
たとえば、挨拶。
自らの心を開いて、相手の心に迫るために、
「おはようございます」「こんにちは」などの時の挨拶や、
「よろしくお願いします」「お疲れ様です」「申し訳ないことをしました」など、
その場にふさわしい表現で、謝意や感謝を伝えるために行いますが、
マナーとして、感謝の気持ちを言動によって伝えることが、人間関係や信頼の維持に必要な事を理解できたとしても、
躾がなければ、適切なタイミングで行うことができません。
挨拶の習慣がないということは、躾がされていないということですね。
だから、こんな時は、いくら一生懸命マナー研修を受講させても、
その後、誰が躾をするのか?
引き受け手がなければ、単なる知識の取得で終わってしまうということです。
人は育てるより、活用する時代になったというものの、
袖触れ合うも他生の縁
という観点でもいいし、
経営理念に基づく、行動指針の遵守という観点でも良いので、
習慣になるまで、長い時間をかけて、躾をしていきましょうね。
成功する人や、組織は、必ず思いを実現させるために訓練を行います。
習慣化のための訓練は、とても重要な仕事です。
皆さん、しっかり躾を行ってくださいね。
躾が人格に与える影響ですが、
例えば挨拶ができる人とできない人では、
歴然と、相手から得られる印象が変わりますね。
単なる挨拶の躾が行き届かないだけで、
その人本人への信頼も損なうばかりか、企業への信頼さえ揺らぎかねません。
日本社会は、依然として、
一人一人のビジネスパーソンとして「個人」が扱われるよりも、
組織の一員として見られることが多いため、
社員の人格形成が、組織の信頼と直結するのは、言うまでもないことでしょう。
従って、本来は、家庭教育の中で行われるべきことがなされていないからと言って
ないがしろにできないことの一つが「躾」でしょう。
習慣になるまで・・とは、長い時間がかかることでもありますが、
最短21日続けられれば、習慣化したと判断できるという説もあります。
まずは、1か月、相互努力を重ねてくださいね。
このコラムの執筆専門家
- 竹内 和美
- (研修講師)
- 株式会社オフィス・ウィズ 代表取締役
実践型研修で、結果が即・行動に現れます
ビジネススキルに不可欠なコミュニケーション力。ますます重要な「聴く力」「話す力」「論理的に考える力」を高める研修はじめ、企業研修の内製化のコンサルティング、人事政策のアドバイスなど、人事に関する総合的なご支援をしています。
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