常識を問い直せ:予備室としての和室 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

森岡 篤
有限会社パルティータ 代表
建築家

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対象:住宅設計・構造

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常識を問い直せ:予備室としての和室

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住宅の常識を問い直せ
以前、「予備室として和室をつくる」家を、良く見かけました。

所用の部屋だけだと、たまに親戚やお客さんが泊まりに来た時に困るので、予備室を作ろう。
和室にしておけば、家具を置かなくて良いし、布団は押入に入れておける。
将来子供部屋にするのもいいだろう。
和室が一つもないのは寂しいので、今は使う部屋ではないけれど、予備室として和室を作ろう!

というわけです。

一見それらしいのですが、何年かして行ってみると、納戸になっている事が少なくありません。

元々持ち物の把握が甘く、収納が足りず、モノが溢れてしまう。
お客さんは、想定していたほど来ない。
和室を一部屋は残そうと思って作ったが、和室として使ったのは最初だけだった。

というわけで、だんだん荷物置き場となり納戸化していくわけです。


元々納戸を作ったのだ、と思えば良いのかもしれませんが、ちょっともったいないのでは。

もちろん和室が好きで、和室として使われているのなら、何の問題もありません。

和室を別の機能的な用途で使うのは、使いづらかったりします。
子供部屋や書斎として、机とイスを置こうと、畳でイスを使うとグラグラしたり、事務用キャスター付きイスでは、畳がボロボロに痛んでしまいます。
畳にカーペットもいかがなものか。

予備室にするなら、洋室納まりにして畳を置く方法もあります。
そもそも「予備室」として間仕切で区切るのでなく、居間を広くして、来客時は一部を可動間仕切りで囲えるようにする方がよいかもしれません。

計画時に、将来の生活を良くシミュレーションすることが必要です。