- 岡村 陽介
- サニー行政書士事務所
- 東京都
- 行政書士
-
042-407-4814
対象:法律手続き・書類作成
- 折本 徹
- (行政書士)
- 高島 一寛
- (司法書士)
化粧品輸入販売プロセス⑲~INCI名登録や日本語成分表示名称登録が必要な成分の有無チェック~
-
こんにちは。サニー行政書士事務所の岡村です。
前回まで、化粧品の輸入及び国内販売に必要な手続きとして、化粧品製造販売業許可申請や製造業許可申請に代表される行政手続き、そして化粧品基準に照らした成分分析のお話をしてきました。
前回の記事:分析結果の評価、販売戦略の見直し
さて、今回からは、当初必要とご説明した3つ目の手続きである、INCI名、および日本語成分表示名称について取り上げたいと思います。
日本では現在、化粧品を流通販売させるにあたり、化粧品に配合されている成分の全成分表示が義務付けられています(全成分表示義務)。
これは、平成13年(2001年)の4月に日本では導入された制度で、従来行われていた種別ごとの承認制度の廃止に伴い、新たに設けられました。
要するに、種別ごとに必要だった承認というある意味複雑な手続きを無くす代わりに、販売する化粧品の安全性については企業が責任をもってくださいね、その責任を示す一環として全成分の表示をしてくださいね、ということです。
ちなみに全成分表示は日本だけでなく、全世界的なスタンダードです。中国も、韓国も、ASEANも、欧州(EU)も、そして米国でも義務付けられています。
『海外でも義務付けられているのであれば、輸入した製品も当然全成分表示されているのだから、問題ないじゃないか』
そう思いたくなりますが、事はそうシンプルではありません。
日本では、消費者が容易に理解できるよう、成分を含め、容器等への記載事項(法定表示)は邦文(日本語)で記載することが要求されています(医薬品医療機器等法第61条及び62条、同施行規則第218条および第221条の3)。
海外で製造されたものをは、そのままでは当然、原産国での言語表示になっていますから、新たに日本語で作成した法定表示のラベルを貼らなければなりません。
そして、成分名については、何でもいいから適当に日本語訳すればいいかというとそういうわけにもいきません。
現在は、成分の邦文名は、日本化粧品工業連合会が作成する「全成分表示名称」を使用することがルールとなっています(根拠資料:平成13年3月6日付_医薬審発第163号『化粧品の全成分表示の表示方法等について』)
全成分表示名称は、INCI名を基に作成されることになっています。
ですので、INCI名が存在するが対応する全成分表示名称が無い場合、そのINCI名の情報を使用して名称の作成申請を行うことになります。
しかしINCI名すらも存在しない成分である場合、まずINCI名を登録するところから始めなければなりません。
説明が長くなりましたが、したがって新たに化粧品を輸入したい場合、その各品目に配合されている成分について、
1:すでに全成分表示名称が存在する成分か?
2:全成分表示名称が無い場合、対応するINCI名は存在するか?
これら2点を事前チェックする必要があるのです。
原産国のオリジナルのラベル表示が英語でされている場合、一般的には全成分表示はINCIで行われていることが多いので、名称の紐付がしやすいですが、たまに独自の英語で記載がされていることがあります。
そういった場合は、INCI名との間での名称の類似性から成分を特定したり、CAS番号があればその番号からINCI名を特定していきます。
この事前チェックをすることで、そもそもINCI名の登録申請や、全成分表示名称の作成申請をする必要があるか否か?を確認し、もし必要があれば申請手続きに入ります。
次回、その申請手続きの流れについて説明したいと思います。
お読みくださり、ありがとうございました。
次回>>化粧品輸入販売プロセス⑳~INCI名登録申請、日本語表示名称作成申請~
☆★ご案内★☆
海外化粧品法規制NewsLetter毎月定期配信中!
欧州、米国、アジア各地域の最新の化粧品法規制動向をいち早く配信いたします。
登録は無料!
どうぞお気軽にご登録ください!
登録フォーム:
http://pharma.sunnygyosei.com/cosme_newsletter_registration
バックナンバー:
http://pharma.sunnygyosei.com/cosme_newsletter_backnumber
★☆お気軽にお問い合わせください!☆★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
サニー行政書士事務所 代表 岡村陽介
TEL: 042-682-2423
E-MAIL: info@sunnygyosei.com
URL:
http://www.sunnygyosei.com/(事務所)
http://souzoku.sunnygyosei.com/(相続サポート)
http://pharma.sunnygyosei.com/(薬事法務サポート)
http://honyaku.sunnygyosei.com/(リーガル翻訳)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このコラムの執筆専門家
- 岡村 陽介
- (東京都 / 行政書士)
- サニー行政書士事務所
英語に強い!化粧品薬事専門の国際行政書士
約10年間英語を活用する仕事に従事した経験があり、化粧品輸出入等の海外対応、海外の化粧品法規制の調査などに強いです。また、書類数が多く煩雑な化粧品薬事申請についても、常にお客様視点で問題解決を模索し、きめ細やかなサービスを心掛けています。
「化粧品薬事申請」のコラム
化粧品輸入販売プロセス21~製品ラべリング準備~(2016/05/05 02:05)
化粧品輸入販売プロセス⑳~INCI名登録申請、日本語表示名称作成申請~(2016/02/10 00:02)
化粧品輸入販売プロセス⑱~分析結果の評価、販売戦略の見直し~(2016/02/08 11:02)
化粧品輸入販売プロセス⑰~分析機関へ成分分析依頼~(2016/02/07 00:02)
化粧品輸入販売プロセス⑯~製品の成分事前チェック⇒必要検査項目の特定~(2015/12/03 11:12)
このコラムに関連するサービス
- 料金
- 無料
「新しく化粧品ビジネスを始めたい!」
「化粧品を輸入して販売したい!」
「逆に化粧品を海外に輸出して販売したい!」
・・・でも具体的な手続きがよくわからない・・・。
こんなお悩みお持ちではありませんか?
まずはお気軽に、メールにてご相談ください。
目的達成のための要件を明確にし、具体的な手続きの流れ(ロードマップ)を提示させていただくことができると思います。
このコラムに類似したコラム
化粧品輸入販売プロセス21~製品ラべリング準備~ 岡村 陽介 - 行政書士(2016/05/05 02:50)
化粧品輸入販売プロセス⑳~INCI名登録申請、日本語表示名称作成申請~ 岡村 陽介 - 行政書士(2016/02/10 00:26)
化粧品輸入販売プロセス⑰~分析機関へ成分分析依頼~ 岡村 陽介 - 行政書士(2016/02/07 00:50)
化粧品輸入販売プロセス⑮~製造販売届出~ 岡村 陽介 - 行政書士(2015/11/12 02:21)
化粧品輸入販売プロセス⑭~外国届出~ 岡村 陽介 - 行政書士(2015/09/27 09:43)