
- 岡村 陽介
- サニー行政書士事務所
- 東京都
- 行政書士
-
042-407-4814
対象:法律手続き・書類作成
- 折本 徹
- (行政書士)
- 高島 一寛
- (司法書士)
こんにちは。サニー行政書士事務所の岡村です。
前回は、輸入して販売しようとしている化粧品の配合成分について、INCI名や日本語成分表示名称が存在しない場合に行う、登録申請手続きについて説明いたしました。
前回の記事:INCI名登録申請、日本語表示名称作成申請
前回のコラムで説明した通り、INCI名は約3カ月、日本語成分表示名称にも約3カ月、期間がかかります。
ただこの期間も、登録申請を行う際、どれだけ充実した、そして説得力に富んだ資料、情報を準備できるか如何で、多少変動します。
また、過去に経験した事例ですが、申請する成分のタイプ(INCI名登録申請において、成分は6つのタイプに分けられています)によっては、従来よりも早く(もしかしたら、審査委員会を経ずに?)INCI名が決定したケースもありました。
ですので、あくまでも目安が3か月間、ということです。
申請してから3か月間、ただ待っていればよいかというとそういうわけでもなく、申請する成分の特徴によっては、途中で質問や追加資料提示の要請が届きます。
それらにも都度都度対応していかなければなりません。
当然ながら、それら対応が遅れれば遅れるほど、最終的にINCI名や日本語表示名称が確定するタイミングが遅れることになります。
さて、それら追加対応も終わって、予定通りに審査委員会が開催されると、何事もなければそれから約3週間後に、晴れてINCI名の決定通知が届きます。
INCI名の方はメール添付のPDFで、一方の日本語表示名称の方は郵送(封書)で届くのですが、これらを開く瞬間は非常にドキドキします。
当初こちらで希望した通りの名称になった場合は「よし!」とガッツポーズですが、そうでなかった場合。
特に、INCI名の場合、『既存INCI名の○○にしなさい』という趣旨の通知だった場合は結構凹みます。
力量不足、といえばそれまでなのですが、ともかくお客様には顛末を正直に、正確にお伝えしなければなりませんので。
たいてい、希望通りの名称に行かなかったことでがっかりはされるのですが、ありがたいことに当事務所を責められたことは一度もありません。
正規の手段で、必要情報すべてを揃えた上で申請した結果なので、仕方が無いです、と言ってくださるのは救いなのですが、こういうケースのときはどうしても、「申請前に、もう少し何とかできなかったかな」という後悔が頭をよぎります。
とにかく、新規名称にせよ既存名称にせよ、成分名が決まったら、それらを製品パッケージ上の表示(法定表示)に反映させます。
薬事法(医薬品医療機器等法)上、化粧品容器に記載しなければならない情報は、以下のように定められています。
(直接の容器等の記載事項)
第六十一条
化粧品は、その直接の容器又は直接の被包に、次に掲げる事項が記載されていなければならない。
ただし、厚生労働省令で別段の定めをしたときは、この限りでない。
一 製造販売業者の氏名又は名称及び住所
二 名称
三 製造番号又は製造記号
四 厚生労働大臣の指定する成分を含有する化粧品にあつては、その成分の名称
五 厚生労働大臣の指定する化粧品にあつては、その使用の期限
六 第四十二条第二項の規定によりその基準が定められた化粧品にあつては、その基準において直接の容器又は直接の被包に記載するように定められた事項
七 前各号に掲げるもののほか、厚生労働省令で定める事項
第四号に成分の名称とありますが、この成分名称は「全成分表示」が義務付けられています(平成12年厚生労働省告示第332号)。
この成分名称の表記ですが、配合されている量の多い順に記載することを徹底しましょう(義務付けられています。怠ると回収の対象になります)。
ただし、配合比率1%以下の成分は順不同でも構いません。
また「香料」は、一つ一つの具体的な成分名の表示はしなくても良く、ひとくくりに「香料」という表示でもOKです。
成分名称以外にも、例えば製造販売業者の情報の微妙な表記間違いや、製造番号(ロット番号)の誤りや記載漏れ等を理由に、自主回収になっているケースが実際に多く見られます。
実際の流通前にチェックすることで防げるリスクですから、準備段階で徹底しておきましょう!
以上、全21回に渡りご案内してきました、化粧品輸入プロセスですが、いかがでしたでしょうか?
このシリーズコラムに執筆させていただいた知識やノウハウが、1つでも2つでも、読んでくださった方の学びに繋がっていただければ、とても嬉しく思います。
お読みくださり、誠にありがとうございました!
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このコラムの執筆専門家

- 岡村 陽介
- (東京都 / 行政書士)
- サニー行政書士事務所
英語に強い!化粧品薬事専門の国際行政書士
約10年間英語を活用する仕事に従事した経験があり、化粧品輸出入等の海外対応、海外の化粧品法規制の調査などに強いです。また、書類数が多く煩雑な化粧品薬事申請についても、常にお客様視点で問題解決を模索し、きめ細やかなサービスを心掛けています。
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