シニアの資産運用ETFの主なデメリットと東証上場ETFを売買高で選別 - 投資相談全般 - 専門家プロファイル

吉野 充巨
オフィスマイエフ・ピー 代表
東京都
ファイナンシャルプランナー

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閲覧数順 2024年05月01日更新

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シニアの資産運用ETFの主なデメリットと東証上場ETFを売買高で選別

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資産運用の原則 資産配分(アセットアロケーション)

前回は米国と日本のETFマーケットの違いを説明いたしました。

今回は日本市場=東京証券取引所に上場する投資信託=ETFを、一日の売買高により、選別いたしました。
既にご紹介しました通り、ETFは分かりやすさ・低コスト・分散投資等々に優れた商品で、長期投資に優れた商品です。ただし、デメリットもあります。

■ETFは通常再投資が出来ません。⇒シニアにはメリットにもなります。
投資信託であれは、再投資口を選ぶと決算時に分配金を再投資できます。ETFは株式と同様配当金と同じように分配金として払い出されます。従って再投資による複利運用はご自身で分配金を投資しなければなりません。
ただし、シニアの資産運用としてはメリットにも変わります。例えば毎月分配のアクティブファンドは、分配金を捻出するため、元本を特別分配金として払い出すファンドがあります。トータルではこの分で元本が減じてしまいます。
ETFの場合には保有している債券の利子分のみ払い出されるので、元本分はETFに残されています。従って元本の価格変動はありますが、払い出しによる減少はありません。従って、老後は年金とインカムゲイン(配当金・分配金)で生活することをお考えの方にはメリットになります。

■買付には株式売買手数料(ブローカレッジ・フィー)がかかります。
投資信託の中には、ノーロード(販売手数料ゼロ)の銘柄や、扱う金融機関が無料としている場合かありますが、ETFは株式同様に扱われていますので、通常は売買手数料が発生します。⇒売買手数料は証券会社ごとに異なりますので、口座を開設する際には確認をしてください。長期投資を目指す投資家は頻繁な取引は控え、長期保有を心掛けください。
当初は長期保有を向けとして開発されたETFですが、機関投資家や短期取引行う投資家にとっても低コストで多くの銘柄を扱える、インデックスそのものを扱える、インデックスの先物とETF現物との裁定取引を行う等で取引量が伸びています。
■買値と売値の間にスプレッドが発生します。
ETFの価格は純資産価額ではありません。取引所での売りと買いの需給で決まります。売り手が多ければ価格は純資産額より低い価格(ディカウント価格)になり、買い手が多ければ純資産額より高い価格(プレミア価格)で取引されます。これは頭で考えるよりもグラフで確認をするとそのことがデメリットであると感じられます
モーニングスターでS&P500に連動するETFのディスカウント・プレミアをグラフで確認できます。
http://www.morningstar.co.jp/etf/contents/demerit_a.htm
理論値との間のスプレッドの発生はトラッキングエラーとなります。
■金額指定が出来ません。
ETFの取引は株と同様口数単位で行われます。「1万円だけETFを買う」「10万円分だけETFを売る」ということは原則できません。毎月定額で買い付けていくいわゆるドル・コスト法(積み立て投資)が出来ません。ただし、国内ETFでは「るいとう(株式累積投資)」を扱う証券会社を利用すれば、一部のETFで定額積立が可能です。
ただし、ETFのメリットである、低コストというメリットの放棄になります。

■繰上償還のリスクがあります。
ETFの運用が中途で終わってしまう上場廃止リスクがあります。上場廃止とは、ETFの運用を繰り上げて終了させることで、一般の投資信託における「繰り上げ償還」と同じ意味です。取引額が伸び悩んだり、また上場基準が満たすことが困難になると、運用会社がETFの運用を継続するメリットが無いと判断した際に上場廃止を決定する場合があります。上場廃止が決まると一定の猶予期間のあとにETF保有者に現金で資産が返されます。
株式の企業倒産とは異なり、決して資産がゼロにはなるわけではありません。
ETFには倒産が無いというメリットがあります。
■ETFの制約
一般投資家には、無縁といえるものですが、ETFでは、超大口の機関投資家からの現物解約に応ずるために、完全に連動を目指すインデックスと同じ銘柄を同じ割合で組入れなければなりません。従って運用者として通常のインデックスファンドのように先物を利用してパフォーマンスを高めることが難しいと言われます。 先物取引は投じる資金が少ないレバレッジを効かせた取引形態です。

■日本市場では流動性が低いETFが多い
上記のような要件を踏まえ、取引を行う場合でも、流動性が低いETFがあります。

下表は、日本株を対象とするETFは原則一日当たり1万株(口)以上の取引が有るもの、外国株の場合には1日当たり5,000株(口)以上のものを2015年5月13日の売買高と、4月3日から5月13日の取り数を確認して選別いたしました。条件を満たさない銘柄が多くなっています。

東証の区分で、日本株を対象とするものは
市場別が22銘柄中12銘柄、業種別は36銘柄中1銘柄、テーマ型は10銘柄中ゼロ件、エンハンスト型は3件中ゼロ件、リートは7件中2件です。

外国株は条件に合うものは39銘柄中3件なのですが、海外ETFを購入する際の為替手数料と売買手数料の高さを考慮すると日本市場で取引される方もいらっしゃるのではと考え、特記をつけて8銘柄を選別しました。あくまで著者の見解に基づいた選別です。

150514東証ETF主な銘柄

文責
FP学会会員
独立系顧問料制ファイナンシャル・アドバイザー
オフィス マイ エフ・ピー 代表 吉野 充巨

【保有資格】
ファイナンシャル・プランナー:日本FP協会認定CFP®
プライマリー プライベート バンカー:日本証券アナリスト協会認定
宅地建物取引主任者 (東京)第188140号
ロングステイ財団登録ロングステイアドバイザー&登録講師

独立系顧問料制アドバイザーとは
http://www.officemyfp.com/komonryouseiadviser.html

『このコラム又は回答は、投資判断の参考となります情報の提供を目的としたものであり、有価証券の取引その他の取引の勧誘を目的としたものではありません。
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