- 栗原 守
- 有限会社光設計
- 東京都
- 建築家
対象:住宅設計・構造
地窓や欄間、引き戸、小窓といった定番の手法に加えて、
この木製の床通風口を設計の中でよく使っています。
最近ではお年寄りの建築主ご夫妻の住まいで使いました。
夏のクーラが若手で、そとの涼しい空気(敷地は高台にあるので、
夏には東南の方から風が流れてくる)を家の中に呼び込むような
工夫を望んでいました。
そこで、昔の家のように床下から涼しい
空気を室内に取り込むことを考えました。床下基礎を高くして、
基礎パッキン工法による全周換気に従来の換気口を併用して、
床下の通風を確保し、住まいの主要な部分11ヶ所に木製の通風口
を取り付けるように計画しました。通風量は薄い3枚の板をスライド
させて調整できるようになっていますので、冬は閉め、春秋はちょっと
開け、夏は全開というように使ってもらっています。
結果は期待以上で、夏の間は全開すると床下からとても気持ちのよい風
が入って来ます。木製なので足で踏んだときにも冷たくないという点も
建築主さんがとても喜んでくれている理由の一つのようです。