- 石川 雅章
- 株式会社エスクリエイト 代表取締役
- 広告プランナー
対象:経営コンサルティング
- 戸村 智憲
- (経営コンサルタント ジャーナリスト 講師)
- 荒井 信雄
- (起業コンサルタント)
「紙は生き物」私は常にそう思っています。
従って、印刷物を制作する際には、あらゆる面で気を使います。
紙には表情があるので、紙の選定、インキとの相性などが重要となります。
さらに、紙には「目」があるってご存知ですか?
実は、この「目」が最終加工の際、大変重要になってきます。
紙の目とは、紙の流れ目とも呼ばれ、紙を漉くときに出来る繊維の方向のことです。
そして前回ご紹介した洋紙の全紙(四六判や菊判)の長い方の辺に、平行な方向に紙の目が通っているのを「タテ目(T目)」、逆に短いほうの辺に平行に目が通っているのを「ヨコ目(Y目)」と呼んでいます。
印刷物発注担当者の方はもちろん、デザイナーの方も理解されていない方もいらっしゃいます。
紙の見本帳を見ていただくとわかるのですが、四六判T目、菊判Y目等が記されておりますが、全ての紙の種類にT目、Y目が揃っているわけではありません。
特殊紙になると、どちらか片方だけの目しかメーカーも準備していません。従って、設計段階で紙の選定を間違うと、見積もり金額に大きく反映するのです。
では、紙の目は主にどのような時に影響すると思いますか?
例えば、カタログやパンフレットなど、綴じ方向と平行に紙の目を設定しないと、しわが発生したり、紙が反ったりします。
また、折り加工をする場合も、折りの方向と紙の目を平行にすると綺麗に折れますが、目が逆だと、折り目が割れたり、ギザギザになることがあります。
特に全ベタのデザインの場合は紙の目を注意しなければなりません。
また、模様が一定方向の紙は、注意が必要です。
最終仕上がりサイズにもよりますが、前回お話した紙の取り都合により、全紙をカットする際、5切、9切等のカット方法になると、紙の目がタテヨコ混在し、模様が一定方向でなく混在してしまう場合もあるからです。
このように、「紙の目」はあらゆる印刷物で大きな影響を及ぼします。
・最終仕上がりに影響
・見積もりに影響
・印刷物の設計に影響
・データの制作方法に影響
従って、紙は生き物、「紙の目」があることを覚えておくと便利ですよ!