- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
いつもは基礎の立ち上がりをつくるが、今回は床下冷暖房を計画しているので、できるだけ床下面積を減らすため、立ち上がりを設けていない。
立ち上がりが無くて問題になるのは、メンテのための床下点検ができないことである。
しかし、給排水についてはメンテナンスフリーのサヤ管ヘッダー方式としているので、排水についてだけ考慮すれば良い。
さて、「大地に還る家」は、解体時にできるだけ廃棄物が出ない様にしなければならない。
そこで、家を解体した時にその処分に困るもので一番大きなものは基礎のコンクリートである。
砕かれて選り分けられた鉄筋は鉄屑となって再び何物かに加工されるが、コンクリート塊は埋め立て地に行ってただ捨てられる。
最近、三菱マテリアルがこのコンクリートリサイクルに取り組みはじめている。
加熱、すりもみ処理で高品質な骨材を回収し、酸化カルシウムとなったセメント分は土壌改良材等の用途が広い。
年々増大するコンクリート廃棄物をこのように循環資源に替えることができれば、廃棄物問題の大きな力となるだろう。
この家が解体処理される頃には、コンクリート廃棄物の処理がきちんと行なわれる様になっていることを期待しよう。