第5章 CHECK:フェアな評価をしてやる気を高めよう・・・・フェアに評価しないからやる気を無くすのです
⑦店長の業績を「売上を上げる対策と結果」だけで単純評価してはいけない
「え~、せっかく競合店が撤退したインパクトで、目標の売上げを獲得したのに、やっぱり私はA評価を受けられないんですか?」
ある店長が、ため息交じりで発言しました。
この店長は、今回のプロジェクトで売上げの前年比を当時の90%から100%に戻すという目標を掲げました。そして、PDCAをスタートさせ、半年後についに前年比を100%に戻したのです。しかし、それは、競合店の撤退という「ラッキー」が大きな影響を与えていると、上司から指摘されていたのです。
この店長は、M部長が言った「店長が行動した結果で上がった売上分が評価である」の言葉と、上司からの「ラッキー効果で売上げアップ」という指摘を重ね、思わずこうつぶやいたのでした。
M部長は、そんな店長の発言を受けて、話を始めました。
「なるほど、それは残念ですね。」
「はい、とても残念です・・・そう言う評価のされ方をしたら誰も評価なんてされなくなります。」と、店長は答えました。
「いやいや、残念なのは、評価の考え方ではありません。残念なのは、あなたの成果に対するとらえ方、解釈の仕方です。とても残念です・・・」
え?とビックリしたような顔をする店長に向かって、M部長は話を続けました。
「あなたが、競合店撤退によるインパクトで、売上げが増えたことを『自分の行動の影響』と考えていないのならば、それは非常にもったいない事です。」
「でも、売上げが増えたのは、競合店が撤退したからです。マネジャーからもそう言われています。でも・・・・売上げは目標に到達したんです。」
「では、競合店はなぜ撤退したのでしょうか?お客様はなぜあなたの店を選んだのでしょうか?あなたの店が急激に売上げが増えたことに対してお客様の満足度は低下しているのでしょうか?」
M部長は、矢継ぎ早に店長に対して質問を投げかけました。
たとえ環境の変化が売上げ増の原因だとしても、そこに存在する「店長の影響」を見つけよう
M部長は、「店長が行動した結果を評価しよう。」と言っています。
「目標を達成しても、それは店長の影響だけではないかもしれない。」とも言っています。
さらに、「店長の影響部分がどこなのかを『推定』しよう。」とも言っているのです。
言い方を変えると、「売上げが上がったことを『店長以外の影響』に結論付けるのでは無く、そこに存在する『店長の影響』を見つけ出そう!」と言うことなのです。ちょっとややこしくて回りくどいですけどね。
多くの店長やその上司は、競合店撤退の影響で売上げが上がっても、それは「ラッキー」と捉えてしまいがちです。
逆に、競合店の出店で売上げが下がっても、それは「アンラッキー」と捉えてしまうのです。
そう言う考えでは、「競合店」や「環境の変化」と戦うことは出来ません。
競合店が出店しても撤退しても、店長は手をこまねいているだけでは無いはずです。何かをしているはずなのです。
競合店を撤退に追い込むべくサービス力の強化に努めた。
お客様に自店舗を選んでいただくための施策を打った。
撤退した後、自店舗に流れたお客様に満足していただくための行動を行った。
競合の出店のインパクトを最小限に食い止めるべく呼び込みを強化した。
一時的に競合店を利用したお客様が「やっぱりあなたの店の方がイイ」と思っていただけるよう日頃から努力をした。
競合の出退店によるプラスのインパクトにも、マイナスのインパクトにも、どちらにも店長の行動が影響をしているはずなのです。
店長が行動を行ったからこそ、競合店撤退により、+10%のプラスインパクトを獲得できた。
店長が行動を行ったからこそ、競合店出店のインパクトを、-10%に留めることが出来た。
これらを自信を持って表現出来ればどうなるでしょうか?
もうそこには、「ラッキー」も「アンラッキー」もありませんよね。
ではまた明日。
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