第5章 CHECK:フェアな評価をしてやる気を高めよう・・・・フェアに評価しないからやる気を無くすのです
③あなたの店の本来の売上を「前年」で決めるのはおかしくないか?・・・思いっきりストレッチしてみよう
「N店長の店の売上げは、本来はいくら売れるはずなんですか?」
本社で行われたときに、M部長から質問されたN店長は、「え?」と思わず絶句してしまいました。
そりゃあそうですよね。自分の店の「本来の売上」なんて、誰も意識していません。店長は、自分の店の予算を作った担当者や、自分の店を契約した店舗開発担当者が作った「予測売上」「計画売上」「予算売上」、そして前年実績があるのならば「前年売上」が、「本来の売上」のように思っています。
でも、それは全然違います。
もしもそうならば、前年比150%や200%なんて売上げなど上がるわけがないからです。
第2章の「売上はこう考えるとわかりやすい」でお話ししたように、売上とは「ポテンシャル×吸引力」です。「あなたの店の商圏内にいる『既存顧客』と『潜在顧客』を、あなたの店の『吸引力』でどれだけ引っ張ってきて、そしてお買い上げいただいた」、と言う結果なのです。と言うことは、「ポテンシャル」を「最大限に吸引」いや「100%の吸引力を発揮」すれば、もっともっと売れてもおかしくないはずなのです。
新店舗の売上予測や計画売上げなどは、基本的には、他店舗の実績データや、競合店のベンチマークによって推定された数字です。これは、「本来の売上げ」ではなく「まあ、これくらいは売れるでしょう」と言うただの「過去の数字から計算された仮説」なのです。
前年実績でも、それはただの結果に過ぎません。「限界」ではありません。
「本来の売上げ」とは「限界値」のことを言うのです。
では、「限界値」とはいくらなのでしょうか?
単純な理屈上の「最大限のキャパシティ限界値」は、簡単に計算できます。それは、
満席率100%客席数×1時間あたり最大回転率(最少滞在時間)×営業時間×最大客単価×月間営業日数
ですよね。もう、とんでもない売上げになります。
N店長の店で計算すると、25x3x10x800x30・・・なんと月商1800万円になるのです。
ところが、現状のこの店の売上げは、月商500万円。4分の1程度ですよね。
その差は、1300万円。ポテンシャルは変わらないとしても、「吸引力」を高めていったらここまでは売れるはずなのです。
最大理想像~限界値との差を埋めていく計画を立てるのが一番楽しい
「1800万円はさすがに、ムチャクチャになりそうだけれど、今の500万円を1000万円にするのは、可能かも知れないな・・・」
素直なN店長は、M部長に言われた「限界値」を想像しながら、目標を立てました。
最終的に立てた目標売上げは、月商750万円でしたが、それでも現状売上げの1.5倍・・・・前年比を基準にしていたら到底想像できない売上げですよね。
このように、目標値をストレッチすると、それを実現させるための発想が、思いっきり変わってきます。と言うか、変わらざるを得なくなります。今までの延長線上ではなく、まったく新しい発想をしない限り、ストレッチした目標には到底届かないからです。
しかし、このストレッチが、スタッフや店長の中になる「やる気」を引き出すエネルギーになるのです。
ただ、ひとつ注意点があります。
「安心安全」や、「ブランドイメージ」「予算」など、絶対に守らねばならない「ルール」は逸脱してはいけません。経験の浅いスタッフや店長は、「燃えやすい」ですが、「脱線もしやすい」ので、この点はよく注意しておきましょう。もちろん「予算」については、上司がOKなら問題ありませんけどね。
ではまた明日。
※「売上を伸ばし続けるPDCA」「ショップPDCA」についてのセミナー、研修、コンサルティングなどについては、弊社までメールをいただくか、このホームページの「お問い合わせ」「お気軽にご相談下さい」から、お問い合わせ下さい。ご連絡をお待ちしております。
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ
■松下雅憲が紹介されたページはこちら