「部下の強みと育成ニーズを正しく把握している」
「自分の仕事に対して高い達成基準を設定している」
「具体的で前向きな発言をしている」
「次に何が必要か(何が起こるか)を予測し、その為の準備をしている」
「チームメンバー各個人に適したコーチング方法を行っている」
「素晴らしい業績を上げたスタッフを認め、褒めている」
これは、私が実施している「360度評価」の9つ目のブロックの質問です。このブロックで最後です。質問のテーマは「コーチングと育成を行う」です。このブロックでは「部下の育成」「ポジティブシンキング」「コーチング」「承認」が主なテーマになっています。つまり、店長やスタッフリーダーなどの上司が、部下であるスタッフに対して、「育成」と「やる気の引き出し」を念頭に置いたコーチングアプローチを行っているかどうか?について聴いているのです。
ただ、この店で行った360度評価にはこの質問ブロックの「コーチング」という言葉について詳細に説明をしなかったため、それが評価の厳しさに少し影響したかも知れません。「コーチング」は、リーダーが行うコミュニケーションの中で非常に重要なスキルとして位置づけられているのですが、どうも日本ではコーチは「与える」イメージが強いので、説明が不足すると、本来の「引き出す」という点について評価が難しくなるようです。
さて、このブロックでは、上記のような6つの質問が設置されています。店長とスタッフリーダーに対する評価は、その中でも特に「部下の強みを把握しているか」「各人に適したコーチングを行っている」「素晴らしい業績を上げたスタッフを認め褒めている」の3つの質問が厳しい評価となりました。この3つはまさしくコーチングの質問です。
相手の強みに着目する
相手は自分とは違うし、ひとそれぞれである
相手を認め、褒める
これ、なくしてコーチングは出来ませんよね。
しかし、店長とスタッフリーダーの受けた部下評価で、この質問に対する評価が厳しいと言うことは、彼らは部下に対して適切なコーチングは行っていないと言うことになります。部下を育てるには、部下に考えさせないといけません。さらに、部下の力を信じ「答えを与えるのではなく答えを引き出す」。その為には、ひとりひとりを尊重し、その存在を認め、その成果を褒めることが必須なのです。
ところが、私が、スタッフリーダーにこの評価結果をフィードバックしていると、こう言ったのです。
「スタッフ達は、素晴らしい業績なんて上げていませんから、まったく褒める事はありませんでした。」
360度評価の質問内容が「素晴らしい業績」と書いてあるので、そう判断したと言うことですが、「素晴らしい」はあくまで抽象的な基準です。何を持って「すばらしい」のかは、自分達が決めるのです。だから、ほんの小さな結果でも本当は褒めて良いのです。しかし、彼女は褒める事は出来ませんでした。何故、そうなってしまうのかというと、「何とかして褒めよう」「1日100回褒めよう」くらいに意識がないからです。「褒めることを前提」に仕事をしていないから、「少々のことでは褒められない」と思ってしまうのです。
大切なことは、「まず褒めること」です。ほんのささいなことでも何でも良いのです。リーダーは、「褒めグぐせ「承認ぐせ」を持つことが大切なのです。そしてそれを持つためには、めったやたらに褒めることが、重要なのです。とにかく、些細なことでも何でも良いので、「褒める」のです。それがやがて「習慣」「くせ」になります。
以前、このブログで、「1回叱る前に6回褒めよう」と書きました。1対6の割合なのです。
真剣に叱って問題を解決させようと思うのならば、普段からその6倍は褒めるか承認しておかないと、部下はあなたの「お叱り」を素直に受け入れてくれないのです。受け入れないで表面的に「すみません」と言っても何の効果も無いのです。上辺の返事をする部下は上司が作っているのです。
さあ、あなたはリーダーです。
あなたは、コーチなのです。
まず、観察し、そして承認し、さらに褒めていきましょう。
それだけやれば、リーダーシップは上手く動き始めます。
大丈夫、あなたなら必ず出来ます!
※「6ステージ従業員満足」「360度評価」に関するご相談、従業員満足度調査、セミナー、研修、コンサルティングなどについては、弊社までメールかこのホームページの「お問い合わせ」「お気軽にご相談下さい」から、お問い合わせ下さい。ご連絡をお待ちしております。
いつもお読み頂きありがとうございます。
ブログランキングに参加しています。こちらのアイコンをクリックして応援よろしくお願いします!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
※クリックして人気ブログランキングへ
■松下雅憲の著書について詳しくお知りになりたい方はこちらの画像をクリック!
■松下雅憲への「コンサルティング依頼」「講演・セミナー・研修依頼」についてはの公式ホームページへどうぞ
■松下雅憲が紹介されたページはこちら