スローフードからフードマイレージへ - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

野平 史彦
株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
千葉県
建築家

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対象:住宅設計・構造

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スローフードからフードマイレージへ

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これからの家づくりの視点 地産地消を考える
一時期、「スローライフ」とか「ロハス」といった言葉が流行りました。

皆さんもすでにご存知のようにスローライフは、元々、ローマにはじめてマクドナルドが進出して来た時にファーストフードに異を唱えた「スローフード」という言葉に始まります。後にスローフード協会の会長となるカルロ・ペトリーニが友人達と食事をしていた時に生まれた言葉だと言われます。

1986年、北イタリアはピエモンテ州のブラという小さな村に発足したスローフード協会は、今では世界38カ国に6万人以上の会員をもつ大組織になっています。

その運動は、
1) 消えてゆく恐れのある伝統的な料理や質の高い食品を守ること、
2) 質の高い素材を提供してくれる小生産者を守ってゆくこと、
3) 子供達を含めた消費者全体に味の教育を進めてゆくこと、
という3つの活動から成っています。

この「食」についての考え方を少し広い視野でとらえ、人々の生活全般に目を向けようというのが「スローライフ」と言えるでしょう。

「ロハス」は、Lifestyle of Health and Sustainabilityの頭文字LOHASから生まれた言葉です。読んで字のごとく、健康で環境を破壊することなく維持できるライフスタイルのことで、アメリカの社会学者Dr.ポール・レイの研究から生まれた言葉です。

大量生産・大量消費社会が生んだ様々な環境破壊を反省し、地球環境・人間・社会に優しさを追求しようというライフスタイルで、スローライフの概念に近いものを感じます。

いずれもかつての過激な環境保護運動とは違い、地球環境に対して個々の人間が如何に優しく接するか、という概念を共有しています。

最近は「フード・マイレージ」などという言葉も出て来ていますが、これは食料の輸送距離という意味で、食料の重量×距離(例えば、トン・キロメートル)となり、CO2排出量に換算してpocoという単位で表しています。この数値が小さい程、輸送にかかるCO2排出量が小さいということですが、要は、できるだけ地元で取れたものを食べよう、ということです。

今、家づくりにもこうした考え方が必要になってきているのです。