松尾直彦『実務論点 金融商品取引法』 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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閲覧数順 2017年10月16日更新

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松尾直彦『実務論点 金融商品取引法』

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実務論点 金融商品取引法/金融財政事情研究会
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松尾直彦『実務論点 金融商品取引法』
金融財政事情研究会、平成20年刊、本文241頁。
金融商品取引法のメジャーな論点より、一般的な金融商品取引法の本に書いていないような、やや細かい論点について解説している。「実務論点」というタイトルも、その点を意識したものであろう。他のテキストで一通り勉強した人が、角度を変えて、実務上の細かい論点落ちがないかどうかを確認するのに用いるのが良いと思われる。
刊行時点での金融商品取引法の論点の解説である。発行年が古いため、その後の法改正により、旧・証券取引法から金融商品取引法への改正時点での歴史的背景・パブリックコメントをあまり読む必要はなく、現在の法令を確認する必要がある。
今日までに、上記書籍のうち、以下の部分を読みました。
Ⅵ 金融商品取引業
・集団投資スキーム持分は第2項有価証券として、金融商品取引法が適用される。
・金融商品取引法の規制対象である有価証券・集団投資スキームから除外される専門的職業(弁護士、会計士など)の組合、会社の従業員持株会・取引先持株会
・金融商品取引法2条にいう第1項有価証券に学校債券、医療法人債券、電子記録債権、第2項有価証券に学校貸付債権を指定。
・金融商品取引業者が(レバレッジド)リースを行う場合は、第2項有価証券として、原則として金融商品取引法が適用されるが、一定の要件をみたせば適用除外される場合がある。
・二層構造不動産投資ファンドについても、親ファンド・子ファンドについて、原則として、金融商品取引法が適用される。
・競争馬ファンドについても、第2項有価証券として、金融商品取引法が適用される。
・外国集団投資スキームについて、金融商品取引法が適用される。
・私募について、金融商品取引法が適用されないことが注目されていたが、金融商品取引法が適用除外されるためには一定の要件が必要である。
・特別目的会社(SPC)、民法組合、投資事業有限責任組合(LPS、投資事業有限責任組合契約に関する法律)、有限責任事業組合(LLP、有限責任事業組合契約に関する法律 )
・信託受益権が第2項有価証券とされているため、原則として、信託受益権の「発行者」であって信託業法が適用されないもの、発行者のための代理・媒介は金融商品取引法が適用される。例外的に、信託業法の適用される発行者の場合には信託業法で金融商品取引法が準用される。
・不動産証券化スキームは第2項有価証券として、金融商品取引法が適用される。
・排出権取引は第2項有価証券として金融商品取引法が適用される。

Ⅷ 金融商品取引業者等の行為規制
1 広告等規制
(広告類似の規制含む)
2 契約締結前交付書面の交付義務
4 行為規制(禁止行為等)
 クーリング・オフが導入されたことの意義は大きい。
 金融商品取引業者の義務が行為規制であるのに対して、銀行法・保険業法による行為規制が制度整備義務であるとの記述には、異論がある。その後の法改正により、銀行法・保険業法は金融商品取引法を準用しており、単なる制度整備義務・監督体制にとどまらず、行為規制と考えられる。
6 弊害防止措置
(1) クレジット・カード決済による累積投資の許容
毎月10万円以内ならば、クレジット・カード決済による投資を許容している。これは消費者保護とともに、金融商品取引業の振興を図るものであろう。
(2) 親法人等・子法人等の間の取引に係る弊害防止措置
非公開情報の授受の例外、弊害防止措置の適用除外の承認範囲、引受けに係る制限の緩和が、実務上重要である。
Ⅳ 特定投資家
 特定投資家の場合、金融商品取引業者の行為規制の一部が適用除外されている。
 金融商品取引法における投資家の4分類は以下のとおりである。ただし、特定投資家から一般投資家への移行は、「契約の種類ごと」である。なお、金融商品取引法と同様に、銀行等の「特定預金等契約」、保険会社の「特定保険契約等」、信託会社等の「特定信託契約」についても、「契約の種類ごと」である。
1 適格機関投資家は、一定規模以上の有価証券残高を有する会社・運用型信託会社などの法人、厚生年金基金・企業年金基金、組合を構成する個人など。
2 特定投資家は、申出により一般投資家へ移行可能であり、地方公共団体、金融商品取引業者、特定目的会社などである。
3 一般投資家であって特定投資家へ移行可能である場合がある。上記1、2以外の法人・個人である。個人も含まれるが、匿名組合・民法組合・有限責任事業組合契約を構成する個人であって、すべての組合員の同意を得ている場合である。
4 一般投資家は、上記1~3以外の個人である。
ⅩⅥ 投資信託・投資法人
 投資信託及び投資法人に関する法律・施行令について、金融商品取引法が適用される範囲について、解説されている。