「会社が4月にスタートを切るようにスケジュールを組んでも、私は、1月にスタートするんです!その理由は・・・」
コンサルタントをしている私は、あるチェーン店の店長にお話を伺うために、この店を尋ねました。そこで伺った店長のお話は、私に「なるほど」と言う衝撃を与えてくれたのです。
彼女が店長を勤めるこの会社は、日本の多くの会社がそうであるように3月末が決算となっています。その為、新しい期のスタートは、4月に始まるように年間スケジュールが組まれています。しかし、彼女は、「それでは遅い」と言うのです。
「だって、4月にスタートしていたら、大事な夏のイベントまでたった3ヶ月しかありません。この夏に最初の大きな成果を出すには、3ヶ月では足りないのです。だから私は、1月にスタートを切るのです。」
この会社は、夏に売上の大きなピークが来ます。それを盛り上げるために7月にキャンペーンをするのです。しかし、キャンペーンで高い成果を上げるには、4月に説明して準備をしていても、スタッフの成長や盛り上がりがまだ足りないと言うのです。
「私はまず、1月にスタートを切ることで、2月の小さなイベントで小さな自信と反省というキッカケを作ります。このイベントは、もちろん成功させたいのですが、上手く行かなかったとしても、次に繋げるような反省をしっかり行う様にしているんです。それを元に、7月に向けて作戦を練り直します。主なテーマはスタッフのレベルアップなんです。」
さらに彼女は、こう言います。
「3月には、学生バイトの一部が卒業を迎えるので、スタッフの入替が発生します。だからこそ、その入替トレーニングを考えて少しでも早くスタートを切らないといけないのです。夏の本番まで1日でも多くの時間を確保したいのです。」
このチェーン店の大きなイベントは、7,8月の夏だけではありません。秋には、全国全店を対象にした接客コンテストがあります。そして、それが終わるとすぐに、年末年始のセールに合わせた最も大きなキャンペーンが待っています。彼女は、自店舗のスタッフひとりひとりの成長カルテを作成し、イベントやキャンペーンの際の個人成績、接客販売スキルの成長具合を記録し確認しているのです。
会社が4月からスタートするから、自分達がそれに合わせるのではなく、スタッフの成長目標に合わせて会社のイベントを上手く活用する、そのイベントやキャンペーンで大きな力を発揮できるように、その時期に照準を合わせてスタッフ育成をしていく。彼女の、先を見据えたまた、本質を見据えた運営スケジュールの考え方に、私は感銘を受けました。
私はこの日、店を後にする前に、そんな彼女に、少し意地悪な質問をしました。
「1月からスタートして頑張っていても、4月にあなたが異動になったりしたら、3ヶ月の準備は水の泡になっちゃいますね。」
「何を言っているんですか!そんなの関係ありません。私の店舗を引き継いで下さる新しい店長が、少しでもやりやすくなっていればそれで十分です。私は次の店で、すぐに準備を始めます。それに、今年もし、夏のイベントにスタッフの成長が間にあわないと思ったら、冬のイベントで成果が出るようにスタッフを鍛えますよ(笑)」
私は愚かな質問をしたと、恥ずかしくなりました。反省。
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