新人店長は「部下が考える個人目標」に取り組ませよう - 人材育成全般 - 専門家プロファイル

松下 雅憲
株式会社PEOPLE&PLACE(ピープルアンドプレイス) 代表取締役
東京都
店長育成・販売促進ナビゲーター
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新人店長は「部下が考える個人目標」に取り組ませよう

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「なるほど、あなたは『その目標』に取り組みたいのね。オッケー!じゃあそれで行きましょう!」

この日は、スタッフの目標面談の日。この店では、毎月初に面談を行い、パート・アルバイトスタッフが今月はどういう課題に取り組むのかについて「個人目標」を設定しています。そして、1ヶ月経つとその目標についてどの様に取り組んだか?出来たか?出来なかったか?次月はどうやって行くのか?についてフォローアップをするのです。

さて、今月のスタッフ個人目標面談を終えたA店長。少々顔が曇っていました。何か悩みがあるようです。
「実は、スタッフのBさんには、改善して欲しい課題があるんです。けれど、彼女は、全然違う目標をあげてくるんです。私はそのギャップが埋められなくて悩んでいます。もう、これで3ヶ月目です・・・」

店長は、スタッフのBさんに改善してもらいたい課題を持っていました。しかし、Bさんは、その課題には目もくれず自分がしたいことばかり目標にしてくるのです。スタッフの主体性を大切に思っている店長は、自分から「これにしなさい」とは、言いたくありませんでした。しかし、言わないままでいたら、3ヶ月たっても、まだ目標にしてくれない。

「いったいどうしたらBさんは、私の考える課題を目標に置いてくれるんでしょうか?彼女は、その課題には気がついているんです。でも、それが苦手なので避けているんです。」
悩む店長に、私はアドバイスをしました。
「店長。あなたがスタッフの主体性を大切にしている姿勢は、とても素晴らしいと思います。また、毎月キチンとスタッフの個人目標をフォローしていることも素晴らしい。なかなか出来ることではありません。でも、残念ながらあなたはひとつ『勘違い』をしているように、私には思えるのです。」
「え?それは何でしょうか?」
「店長は、スタッフに成長して欲しいと考えていますよね。でも、その為の課題を、目標面談の時にしか扱えないと考えていませんか? また、スタッフが『その気』になるような仕掛けも何もせずに、主体性、主体性と言いながら、ただ放置しているだけのようにも見えますよ。普段はどうしているんですか?おっと、少しきつい言い方になりましたね。申し訳ありません。」

店長は、私からの厳しい指摘にたじろぎながらも、何かに気がついたような表情を見せました。
「何か、気がつきましたか?」
「はい、私は、各スタッフが主体的に提示してきた目標に取り組むことを、1ヶ月の一番重要な仕事にしていました。それ以外の、実はもっと優先順位の高い課題について『その気になる』ようなアプローチはしていなかったのです。」
「なるほど。ではどうしますか?」
「彼女が提示している目標を早くクリアーさせます。しっかりとトレーニングして目標を達成させるようにフォローします。そうして、取り組んでいる段階で、もっと認めてほめて、彼女から自信を引き出します。きっと彼女は、もっと認めてもらいたいという気持ちになるでしょう。そうしたときに、彼女がもっと良くなるためのアドバイスをします。彼女が避けている課題の克服が、とても大切なことなんだとしっかりと伝えます。彼女が、その課題を克服したいと、自ら思うように伝えたいと思います。」
「いいですね。しかし、今まで避けてきた課題にチャレンジするのはとても勇気が要ることです。その為にも、『やれるかもしれない』と思わせること、そして『やってみよう』と思わせることが大切ですよね。その為にも、まずは、彼女が今、自分で宣言している目標について『達成できる自信』を持ってもらうことだよね。良いところに気がつきましたね。」

スタッフ自身もうすうす気がついているのに改善目標にその課題を置かないのは、『自信が無い』事が原因であることが多いのです。その為には、そのスタッフが「自分にも出来るかも知れない」と、思うように上司がアプローチすることが必要なのです。放置していてもそこには気づかないのです。いや、避けてしまうのです。

自信は、スタッフの中に存在するものです。
店長は、その自信の頭をつまんで、ひょいと引っ張り出すのが仕事です。
大丈夫です。スタッフも「本当はやってみたい」のです。キッカケと自信が必要なだけです。
あなたが、一生懸命スタッフの成長を願えばきっとその気持ちは伝わりますよ。

 

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