最高裁判決昭和51年11月4日 請求異議事件 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
村田法律事務所 弁護士
東京都
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村田 英幸
村田 英幸
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閲覧数順 2017年11月20日更新

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最高裁判決昭和51年11月4日 請求異議事件

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相続

最高裁判決昭和51年11月4日 請求異議事件

民集30巻10号915頁

【判示事項】 割賦販売法2条のローン提携販売において買主の債権を売主が代位弁済して取得した求償債権について同法6条が類推適用される場合

【判決要旨】 割賦販売法2条のローン提携販売において、買主が代金支払のための売主の保証のもとに金融機関から割賦払の約で借り受けた金員を代位弁済した売主に対する求償債務の支払を遅滞し、売主が留保所有権を行使して商品を取り戻した場合において、買主が右求償債務を一時に支払うべきときは、右求償債務に対する遅延損害金について同法6条が類推適用される。

【参照条文】 割賦販売法2条、割賦販売法6条、割賦販売法29条の4

 割賦販売法6条は、遅延損害金の利率を年6%に制限している。

 本件の事案は、要するに、XがY(自動車販売会社)から買い受けた自動車代金を銀行から借り受け、割賦払していたが、その支払を遅滞し、これを保証人として代位弁済したYがXに対し取得した求償債権につき、XY間で更に割賦払の約がされたが、Xはこれも履行しなかったので、Yが右求償債権担保のための留保所有権を行使して自動車を取り戻し、求償債権残額につきXに一時に支払いを求めた、というのである。

Yが一時に支払いを求めた求償金残額につき、割賦販売法6条の類推適用があるかどうかが争われ、原判決は消極に解したのであるが、本判決はこれを積極に解し、留保所有権行使時以降右求償金残額に付される遅延損害金の利率につき特約があっても、右規定にしたがい割賦販売法の法定利率6%に制限されるとしたのである。

 割賦販売法2条2項のローン提携販売において、商品の買主が銀行に対し負担する割賦払いによる借受金債務は、実質的に、通常の割賦販売契約における販売代金の賦払金債務と異ならず、かつ、ローン提携販売において、買主が銀行に対する借受金の支払を遅滞し、本件のように売主に対し負担した一時に支払うべき求償債務は、結局のところ、通常の割賦販売契約において、買主の賦払金債務の履行遅滞により販売契約が解除され、買主が売主に対し一時的に支払うべき義務を負った販売代金残額債務と同じであるとみられる点が、本判決の判断の根拠となっている。

 ただ、昭和47年の割賦販売法改正によりローン提携販売を規制の対象に取り込みながら、割賦販売法29条の4が割賦販売法6条をことさら準用していない点からみると、立法者の意思としては、本件のような問題に6条を類推することは予定していなかったようである。取引実務上も、類推はないものと考えていたのではないかと思われる。

 これに対し、学説には、6条の類推適用を主張していた(竹内『石井追悼論文集』299頁、来栖『契約法』194頁、原田『新割賦販売法の実務』72頁など)。

 本件は、事案がやや特殊なので、その事案にあらわれた場合限りの判断を示すにとどめているが、基本的には右学説にしたがったものといえる。

 その後、割賦販売法の改正により、本判決と同様に改正された。