第二東京弁護士会知的財産法研究会『エンターテインメントと法律』 - 民事家事・生活トラブル全般 - 専門家プロファイル

村田 英幸
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東京都
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閲覧数順 2017年02月26日更新

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第二東京弁護士会知的財産法研究会『エンターテインメントと法律』

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エンターテインメントと法律/商事法務
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第二東京弁護士会知的財産法研究会『エンターテインメントと法律』

商事法務、2005年

本文9項目、約400頁。

今日までに、上記書籍のうち、以下の部分を読みました。

エンターテインメントに関する「独禁法と下請法の実務」

下請法では、親事業者の受領拒否・不当なやり直し要求が禁止されている。しかし、コンテンツの技術・技能不足により、技術・芸術水準を満たしていなければ、完成されていないことが理由であれば、正当な理由になるであろう。

また、下請法3条で、書面交付義務が定められているが、その中で役務の仕様などを記載すべきところ、放送番組などのコンテンツについては、抽象的過ぎて、ほとんど役に立たない。

「映画ビジネス」

映画を製作するのは多額の投資と労力が必要である。

そのため、現在の日本においては、映画会社、配給会社、広告会社、テレビ局などが参加する「製作委員会」方式が主流である。

監督はディレクターであり、映画の中身を「制作」する。

プロデューサーは、資金調達などの「製作」をする。

映画についての支出、すなわち、製作費・プリント費用、配給手数料、広告費などの資金の作り方について、解説している。証券化、私募、金融機関からのノンリコースローン、映画業界外からのプロジェクト・ファイナンス、個人投資家からの資金調達などの方法がある。

映画に関する収入、すなわち、劇場上映(劇場側が約半分を取る)、ビデオグラム(ビデオ、DVD)、テレビ放映権(BSCS、地上波、インターネットなどの公衆送信)、マーチャンダイジング(小説化・玩具・グッズ・写真・絵などの商品化)などがある。

「放送事業者の権利処理」

著作権法は「放送」が生放送を前提としている。放送事業者には、「放送」の許諾がある場合、放送する場合に録音・録画の時から6か月以内の一時的固定が認められる(著作権につき著作権法44条3項、実演家の著作隣接権につき92条2項)が、「録音・録画」についてまで許諾がある場合(著作権につき著作権法44条1項、実演家の著作隣接権につき93条1項)と区別しなければならない。

リピート放送するためには、「放送「録音」「録画」について、許諾を受ける必要がある。現在では、生放送が例外的なので、当初から、上記の許諾を受けておくべきである。

著作権法は、許諾につき書面によらなくてもよいとしているが、後日のビデオグラム化するためには書面によるべきである。

音楽の著作物について、放送事業者はJASRACに使用する音楽のリストを提出し、使用料を支払い、JASRACは著作権者・実演家・レコード会社などに分配する。

なお、筆者が見聞した許諾についての失敗例として、韓国テレビ番組「冬のソナタ」がある。ビデオ化しようとしたところ、まず第1話冒頭の曲の作詞家・実演家などが不明であるといった具合に、あれだけ大ヒットしたのに、当初の権利処理をきちんとしていなかったために、後日、権利処理に手間取ったのである。商品化にしても、主人公が着けていた黄色のマフラーについて、模倣類似品が出回ったといった具合である。

日本の放送事業で成功しているビジネスは、アニメ、ドラマ、ドキュメンタリー、紀行番組などがある。

「アニメの実務」

ウォルト・ディズニーが最初作ったアニメで、制作費をもらってディズニーが映画化してヒットしたが、映画の興行収入は映画会社などに入り、著作権が原画の著作権者に留保されていたために、グッズの商品に関するロイヤリティなどがディズニーに入ってこなかった。

そのため、この失敗を教訓にして、ディズニー映画には、原作について著作権が切れている有名な童話などをアニメしたものも多い。または、オリジナルなストーリー・キャラクターに基づくアニメも多いが、オリジナルなものについては独占権を主張でき、模倣品を排除できる。

日本のアニメは、大企業の関連会社を中心とする制作プロダクションが多いが、裾野には中小零細の下請会社が多い。

「音楽の実務」

欧米では、音楽の著作物について、グランドライツ、スモールライツという分類があるが、日本の著作権法には、そのような分類は存在しない。

「パブリシティ権」

私見であるが、俳優・歌手などの写真について、ブロマイドや写真集、インターネットを含めて、被写体そのものに多大な財産的価値がある。しかし、日本では、肖像権・パブリシティ権で保護する以外になく、的確に保護する方法が必要がある。