
- 野平 史彦
- 株式会社野平都市建築研究所 代表取締役
- 千葉県
- 建築家
対象:住宅設計・構造
これは、人間がどれほど自然環境に依存しているかを分かり易く示すもので、人間活動により消費される資源量を評価・分析し、人間一人が持続可能な生活を送るために必要な生産可能な土地面積として表したものです。
簡単に言えば、人間一人が使っているエネルギーの量を土地面積に置き換えて表したもと言ってもいいかもしれません。
例えば、これを各国で比較してみると、日本人が必要とする生産可能な土地面積は2.3ha、アメリカは5.1ha、カナダは4.3ha、インドは0.4haで、世界平均では1.8haとなります。
このままではちょっとピンとこないでしょうから、ちょっと分かり易いもので比較してみましょう。
では、皆さん、「一坪」という面積の単位がどんな風に決められたかご存知ですか?
実は、1坪というのは、人一人が平均して一日に食べる量のお米が取れる田圃の面積を表したものなのです。
一反(いったん)は、一坪の360倍で、人一人が1年間に食べるお米ができる田圃の面積となります。これをm2に直すと、1,190m2で、haにすると、0.119haです。(約34.5m角の面積)
これが日本人一人が一年間お米を食べる為に使っている面積です。
勿論、私達はお米だけを食べている訳ではありませんし、その他、様々な活動のためにエネルギーを使っています。
しかし、日本人のエコルジカル・フットプリント2.3haというのはその19倍以上の大変な面積であることがお分かりになるのではないでしょうか?
そして、地球上で気候資源が程よく恵まれている陸地の一人当たりの面積が2000年で約1.5haという資料がありますから、世界平均のエコロジカル・フットプリント1.8haというのは、その1.2倍ということになります。
即ち、人間活動は実際に使える地球上の陸地面積をすでに超えてしまっているということですね。
さて、そんな中で、私達はこれからどんな家づくりをしなければならないのでしょうか?
それを考えるためにはまず、今までの家づくりの問題点を明らかにしてゆく必要があります。そうすることによって、これから私達がやらなければならないことが見えて来る筈です。
さあ、これから暫く、日本の家づくりの何が間違っていたのか、シリーズでお届けしますので、お楽しみに。
(次回は、石油の話しから始まります)
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